2013年8月30日金曜日

プラ子旅する。---まだアフリカです。栗山さやか 

プラ子旅する。---まだアフリカです。

http://purako.jugem.jp/

マトーラさんのこと。

2013.08.19 Monday

いつものように日曜日の午後、協会の勉強小屋で女性たちに健康や栄養、病気についての授業をしていました。勉強小屋の崩れかけたわらの屋根を直すために、みんなそれぞれ1束のわらを奥地に行って頭に乗せて運んでこよう。って決めていて、協会の1人の女性、いつもにっこりしているマトーラさんも、「明日は薪を運びに遠くのブッシュにいくからわらは火曜日でもいいー?」なんて聞いてきていていつものようにのどかな日曜日でした。 

マトーラさんは、協会の畑のメンバーでもあり、
協会が出来た当時からいつも一緒にいて、私もとても信頼している女性でした。 

勉強小屋に住んでくれていて
リーダーとなって働いてくれているルーシアさんに何かあったときに連絡がとれるように携帯電話を渡してあります。
 ルーシアさんから火曜日の早朝に連絡がきて、「マトーラさんが病院に入院してしまったよ」って。

 
私は、ちょうど大きな試験があり肉体的にも精神的にもいっぱいいっぱいで、マトーラさん大丈夫かなと心配しながらも病院の面会時間にいけずに2日間経ってしまって、ルーシアさんたちが面会に行っていてくれました。

 
今日こそは、夕方、学校の図書室抜けだして、病室に会いにいこうと思っていました。はやく夕方にならないかなぁとそわそわしながらいて、朝の休憩時間にルーシアさんに連絡を入れると、泣きながら「マトーラさんが亡くなった」って。

 
絶対何かの間違いかと思いました。

 
急いで、お昼休憩時間、通っている医療学校のすぐ隣にある遺体保管所に向かって冷凍保存の遺体の場所、ロッカーみたいな引き出しの一つを引くと横たわったマトーラさんが入っていて、数日前まで笑いながら、わらを運ぶ日をみんなと一緒に決めていたのに冷たくなったマトーラさんの動かない体、開いてくれない目、涙で目の前がみえなくなりました。 

彼女は38歳ぐらいの年齢で数年前に旦那さんを亡くしていて、
7人の子供たちを1人で育てていました。 

彼女の小さな子供たちも協会の勉強小屋で勉強してて
残された子供たちのことを思いました。 

彼女の18歳で中学2年生の長男も遺体保管所にきて、
彼は、家計を助けるために、夜間の中学校に通い、朝から夕方までは、路上のマーケットでタライを売るお仕事をしていました。

彼は、私を見ると、
「お母さんいきなり死んじゃった。誰かに呪いをかけられて死んだ。」って言いました。
 
 マトーラさんからいつも話は聞いていたけど、初めて見るマトーラさんの一番大きな息子さん、マトーラさんに本当に似ていて。 

HIV、エイズ、マラリア、栄養失調、細菌感染が頻繁な
彼女たちには、少しでも体調が悪くなったら病院に行くように。といつも私は伝えていました。 
 
マトーラさんも具合が悪くなった日、勉強小屋のルーシアさんのところにきて、お腹がとても痛くて、具合がかなり悪いって言って、協会で援助している病院代18円を持って病院に向ったそうです。そして3日後には亡くなっていってしまいました。
 
 3日前まであんなに元気で、あまりに突然のことで、今でも亡くなった事実が信じられないです。私でも数日間、放心状態で、残された彼女のまだ小さな子供たち、お父さんもお母さんも亡くしてしまった子達のことを気持ちを思うと胸が苦しくなりました。 

残された7人の子供たち、一番小さな子は4歳になったばかりです。
半分の子達は、親せきのおうちに引き取られました。残りの半分の子供たちは、長男が育てることに決まりました。ですが、親せきのおうちにもたくさんの子供たちが住んでいて食べ物が足りず、 マトーラさんの子供たち、

「おまえたちの分までの食べ物が足りないから、
自分の家に戻りなさい」って言われてしまって長男が1人で育てることになり、まだ18歳の男の子に6人分の子供たちの食糧確保は難しく、協会で2週間に一度、主食の乾燥とうもころこしの粉を一バケツ分援助することを決めました。

1バケツ時期によっても値段は変わりますが、
約450円です。1バケツ、6人の子供たちが約1週間分食べれます。 

4歳のマプもいつも協会の勉強小屋に来て
日本から送っていただいた絵本を眺めたり、落書きしたり他の小さな子達と遊んでいます。

12歳のカティアは、奉公に出されることになり、
奉公先でレイプをされたり、食べ物をほとんど食べさせてもらえなかったり奴隷のように扱われたりすることがここでも問題になっていますが、彼女はしっかり学校に通わせてもらえているって聞いて安心しました。

 
どうかみんな安全がある暮らしで元気に育ってくれますようにと思うばかりです。
 
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協会の引越しの2回目のさんぽの会のこと。

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2010.12.02 Thursday

なかなかまたブログを更新できずにいて
協会の報告ができず申し訳ありませんでした。。

使っていた勉強小屋の土地で揉めていて、
突然、10日以内に退去するか、
法外な土地代を毎月払わないといけないことになって、
(日本で例えるなら、毎月、6万円の家賃のアパートなのに、
40万円の家賃を請求された。。)

もぅ大慌てで安い土地を探しまくって、揉めに揉めつつ契約して、
また必要な材料買い揃えて、みんなで土地を耕して、
勉強小屋解体して、協会の女性たちみんなで、
それぞれわらとか木の枝、頭に乗せて、
新しい場所まで運んで、またわらの勉強小屋、何日かかけて作り直しました。

やっとやっと新しい勉強小屋が一応出来てふーと思っていたら、
別の知らない人が、ここは私の土地だって言って来て、
完成したばっかりのわらでできた囲いを無理やり壊そうとして、
呪ってやるって暴言はかれつつも何とか解決して、やっと一安心です。

しかもしかもずっとあったらいいなぁって思っていた井戸も掘ってしまいました。
たぶん10Mぐらいで掘ったところで水が出てきてみんなで喜びして、
新しい勉強小屋も、もうすぐ大雨期に入る時期で、
外にはみ出して座るとみんなずぶ濡れになってしまうので大きめに作り直しました。


以前に、ブログの携帯の配信料としていただいていた残りのお金で
勉強会の移動のお金なんとか全部間に合いましたが、
協会の活動費、11月からみなさんから頂いたご寄付を使わせていただいています。
本当に本当にありがとうございます。


今まで子供たちのお昼ご飯は、
野菜とスパゲティ入りのコップ1杯のスープと
1つのパンを半分にちぎって二人でわけっこしていましたが、
やっぱり前の日もほとんど食べ物が家になくて、何にも食べれてなかったり、
1日ほんの少しの食べ物しか食べれない子も多く、
お腹がみんなぺこぺこで、みんなお昼ごはん食べ終わったあとでも
おなべを洗う担当の女性のところにいつも集まって
なべのそこに焦げて張り付いてる数本の短いスパゲティを本気で取り合いになって、
そういうのをみるたびにスープももう少し多めにあげたいなぁ。
パンもせめて一人ひとつのパンあげれたらなぁ。っていつも思っていましたが
予算的にどう頑張っても厳しくて、、、でしたが、
今月からみなさんのご寄付のおかげで
パンをそのまま一人ひとつ渡す余裕ができて、本当に感謝感謝です。

そしてそしてなんと、またさんぽの会を来月、
みなさんが開いてくださることになりました。
12月12日の日曜日です。
今回も色んなお仕事をされているかたたちが集まってくださって、
色んなお話が聞けるんじゃないかなぁと思います。







 

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モザンビークで暮らす日本人女性ボランティア
 
 

 
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元渋谷109ショップ店員、東京他店舗店長、OL、フリーターして、日本でてきて7年目です。 60カ国ぐらいうろうろバックパッカーして今はアフリカで弱い立場にある女性たち、子どもたちのための協会を作りました。別の国の人たちのこと、HIVやいろんな問題、現地の人たちの生活のこと、貧しいということ、毎日の小さなこと書いていっています。
 
応援サポーター申込み
東京にいるみなさんがサポーターを作ってくださいました。おさんぽ会のことなど、メーリングリストで見られます。

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また、ご寄付をいただける方は下記にお願い致します。いつもありがとうございます。

※日本にアシャンテママがないために、受け皿がありません。
そのため、さんぽの会等々で支援をしてくださっているソニー・デジタルさんが窓口になってくださいました。

寄付口座
銀行名/三井住友銀行
支店名/浜松町支店
種別/普通預金
口座番号/7426680
口座名義/カ)ソニ-.デジタルエンタテインメント.サ-ビス
振込名/お名前の前に「プラコ」と入れてください。
例)プラコ ヤマダ タロウ

※上記口座にて受け付けました寄付に関しては、責任を持ってプラ子ちゃんに全額お届けいたします。どうぞ宜しくお願い致します。
Just Givingに参加しています。

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アフリカでボランティア活動中のギャル・プラ子ちゃんが挑戦したreadyfor?のプロジェクト。

http://sonydes.jp/mt/mt-search.cgi?tag=%E3%83%97%E3%83%A9%E5%AD%90&blog_id=1&IncludeBlogs=1
 
 https://readyfor.jp/projects/purako

このプロジェクトについて

モザインビークで貧困に苦しむ女性と子供たちへの教育のためひとり日々奮闘する「プラ子ちゃん」を応援したい!


「プラ子ちゃん」
私たちは彼女のことを、プラ子ちゃんと呼んでいます。本名は栗山さやかさん。日本を飛び出して、プラっと気ままに、ボランティアをはじめたので、彼女のことをそう呼ぶようになりました。プラ子ちゃんは今、アフリカのモザインビーク共和国・リシンガでアシャンテママというNPOをひとりで立ち上げ運営しています。そこで、プラ子ちゃんは、シングルマザーの女性たちの自立支援や、学校に行けていなかった子どもへの教育支援をしています。
モザインビーク共和国・リシンガでは、殺人、強盗、汚職、病気が蔓延しています。日本の青年協力隊の人でさえ、その地域に日本人が滞在していることを聞いて、非常に驚いたような危険な場所です。プラ子ちゃんがNPOを立ち上げる、それだけで、気の遠くなるような道のりでした。
 

そんな、遠い異国の地でひとり頑張る彼女を応援するために、私たち「チームプラ子」を立ち上げることにしました。私たちのミッションは、プラ子ちゃんの活動に共感して下さる仲間を増やし、彼女の活動をサポートしていくことです。


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元、ガングロギャル。今、アフリカでボランティア奮闘中。そんなプラ子ちゃんを応援!

https://readyfor.jp/projects/purako/comments

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なんにもないけどやってみた――プラ子のアフリカボランティア日...

http://www.amazon.co.jp/%E3%81%AA%E3%82%93%E3%81%AB%E3%82%82%E3%81%AA%E3%81%84%E3%81%91%E3%81%A9%E3%82%84%E3%81%A3%E3%81%A6%E3%81%BF%E3%81%9F%E2%80%95%E2%80%95%E3%83%97%E3%83%A9%E5%AD%90%E3%81%AE%E3%82%A2%E3%83%95%E3%83%AA%E3%82%AB%E3%83%9C%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%86%E3%82%A3%E3%82%A2%E6%97%A5%E8%A8%98-%E5%B2%A9%E6%B3%A2%E3%82%B8%E3%83%A5%E3%83%8B%E3%82%A2%E6%96%B0%E6%9B%B8-%E6%A0%97%E5%B1%B1-%E3%81%95%E3%82%84%E3%81%8B/dp/4005006965
 

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例)プラコ ヤマダ タロウ
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2013年8月28日水曜日

Blade Runners - Renewable energy on a grand scale

https://twitter.com/SSE
SSE Plc@SSE 8月24日      
Ever wondered what goes into building a wind farm? Our video, "Blade Runners" tells the story of Griffin and Clyde:


Blade Runners - Renewable energy on a grand scale

http://youtu.be/Wrptkkn--vs

http://news.sse.com/listing/2013/08/blade-runners-%E2%80%93-renewable-energy-on-a-grand-scale/

23 August 2013 | Renewable energy , Wholesale

Blade Runners – Renewable energy on a grand scale

Ever wondered about the work that goes into building a wind farm?

Back in 2010, SSE was in the midst of two major construction projects, which would both deliver renewable energy on a grand scale. With a combined capacity of over 500MW, the construction of Clyde and Griffin wind farms represented the largest onshore wind projects the company had ever undertaken and both will remain an important part of the country’s energy portfolio for decades to come.

To mark the significance of these projects, we commissioned a film to chart the development process; the mammoth effort, and challenges, of the construction phase and the impact the wind farms now have on the local community.  Over the course of three years, the cameras followed the project teams through sun and snow, from initial ground works to open days. 

You can watch the result, Blade Runners, below.


公開日: 2013/08/23
Back in 2010, SSE was in the midst of two major construction projects, which would both deliver renewable energy on a grand scale. With a combined capacity of over 500MW, the construction of Clyde and Griffin wind farms represented the largest onshore wind projects the company had ever undertaken and both will remain an important part of the country's energy portfolio for decades to come.

To mark the significance of these projects, we commissioned a film to chart the development process; the mammoth effort, and challenges, of the construction phase and the impact the wind farms now have on the local community. Over the course of three years, the cameras followed the project teams through sun and snow, from initial ground works to open days.

 

飲料水供給システムの主要な受益者として、コミュニティー構成員は意思決定に参加する権利を有する。

飲料水供給システムの主要な受益者として、コミュニティー構成員は意思決定に参加する権利を有する。

: WHO 飲料水水質ガイドライン 

Guidlines for drinking-water quarity 

 第3版 (第1巻)

社団法人 日本水道協会
 
 

122p/572p

http://whqlibdoc.who.int/publications/2004/9241546387_jpn.pdf

5.5.1 コミュニティーおよび消費者との相互関係
コミュニティー参加は、特にコミュニティーおよび自家給水のサーベイランスにおいて望ましい
要素である。改良された飲料水供給システムの主要な受益者として、コミュニティー構成員は意思
決定に参加する権利を有する。
コミュニティーは、地域における知見と経験を引き出すための資
源である。彼らは、飲料水供給に関する問題に最初に気づく人たちであり、それゆえ、どのような
時に早急な是正措置が必要であるかを指摘することができる。情報伝達戦略は、以下のことを含
まなければならない。

日本の政治・行政は、主権者国民の基本的な人権を棄損し、生命や生活の安全を破壊している。

悪魔のような政治・行政がなされている。

主権者国民は、これらの不正義、不全性を断罪すべきである。

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世界の水道水放射線基準値(菜食文化研究会)+アメリカの基準からは約2700倍(@39chiro)

http://www.asyura2.com/11/genpatu8/msg/423.html

http://carrotjuice.sblo.jp/article/43968256.html 2011年03月23日

世界の水道水放射線基準値

世界の水道水の放射線基準値は下記のとおりです。●世界の基準値
WHO基準      1ベクレル(Bq/L)
ドイツガス水道協会 0.5ベクレル(Bq/L)
アメリカの法令基準 0.111ベクレル(Bq/L)
 ●3/17までの日本の基準値
ヨウ素 I-131 10ベクレル(Bq/L) 
セシウムCs-137 10ベクレル(Bq/L )
出典は下記です。203-204ページ、表9-3参照

http://whqlibdoc.who.int/publications/2004/9241546387_jpn.pdf

 日本には放射能に関する飲料水基準は無く
世界保健機関(WHO)基準相当を守っていました。
飲料水中の放射性核種のガイダンスレベル(WHO) です。しかもセシウム-134とセシウム-137の合計値が370Bq/kg。
基準値を超える物は輸入させないというものでした。 愛知県衛生研究所 2006/04/28

http://www.pref.aichi.jp/eiseiken/4f/chernobyl.html

食品中の放射能濃度の暫定限度は、日本の国民一人一日当たりの
輸入食品の摂取量を考慮した上で、放射線防護の国際専門機関である
国際放射線防護委員会(ICRP)の1990年勧告
「公衆の被ばく線量限度は1年間に1ミリシーベルト」
も十分に下回る量として設定されています。

●3/17以降・現在の日本の暫定基準値
・ヨウ素(I-131)131  300ベクレル(Bq/L)
飲料水 300 Bq/kg
牛乳・乳製品 300 Bq/kg
野菜類 (根菜、芋類を除く。 ) 2,000 Bq/kg
・セシウム(Cs-137)137 200ベクレル(Bq/L)
飲料水 200 Bq/kg
牛乳・乳製品 200 Bq/kg
野菜類  500 Bq/kg
穀類  500 Bq/kg
肉・卵・魚・その他 500 Bq/kg


※100 Bq/kg を超えるものは、乳児用調製粉乳及び
直接飲用に供する乳に使用しないよう指導すること。 厚生労働省医薬食品局食品安全部長通知
平成23年3月17日付「食安発0317第3号」によって
放射能汚染された食品の取り扱いについて下記のとおり
飲食物摂取制限に関する指標が明示されました。緊急時における食品の放射能測定マニュアルの送付について
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001558e-img/2r9852000001559v.pdf

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http://green.ap.teacup.com/pekepon/370.html

世界の基準値

WHO基準      1ベクレル(Bq/L)

ドイツガス水道協会 0.5ベクレル(Bq/L)

アメリカの法令基準 0.111ベクレル(Bq/L)

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WHO 飲料水水質ガイドライン

http://whqlibdoc.who.int/publications/2004/9241546387_jpn.pdf

Guidlines for drinking-water quarity 

 第3版 (第1巻)

社団法人 日本水道協会


Published by the World Health Organization in 2004
under the title Guidelines for Drinking Water Quality, Volume 1, 3rd edition
©World Health Organization 2004

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 http://infosecurity.jp/archives/8779

WHO飲料水品質基準=10ベクレル(Bq/L)、日本の飲料水品質基準=300ベクレル(Bq/L)

WHO飲料水品質ガイドライン-第9章 放射線学的観点
[WHO飲料水品質ガイドライン]

-以下、WHO飲料水品質ガイドラインの第9章 放射線学的観点より抜粋-
単一試料についてこの合計が1を超えており、これらと同じ測定濃度の被ばくが丸1年間続いていた場合に限って、RDL 0.1mSvを超過していたと見なされる。したがって、このような試料は、それ自体で、その水が飲用不適であることを意味するわけではないが、追加して試料採取を行うなど、さらに調査する必要があることを示すものと見なすべきである。全βおよび全α放射能のスクリーニングを最初に繰り返して行うべきであり、続けて測定したこれらの値が、ここで勧告する実務上のスクリーニング値(それぞれ、1Bq/Lおよび0.5Bq/L)を超える場合に限って、個々の放射性核種についての分析を行うべきである。
 防除手段
 総計としてRDL 0.1mSv/年を超える場合には、線量を低減させるために担当官署に与えられた選択肢が試されるべきである。防除手段につき考慮する場合、それがどのような方法であっても、まずその正当性を確認(それが正味の便益をもたらすことという意味において)してから、ICRP勧告(1989, 1991)にしたがって正味の便益を最大にするための最適化を図るべきである。

飲料水中の放射性核種のガイダンスレベル

 

[WHO飲料水品質ガイドライン-スクリーニングレベル]
WHO飲料水品質ガイドラインでは、全放射能を繰測定して、全α放射能では0.5Bq/L 、全β放射能では1 Bq/L を超える場合、個々の放射性各種濃度の測定およびガイダンスレベルとの比較を行うべきであるとされている。

飲料水の核種ごとの摂取基準

飲料水の核種ごとの摂取基準は、
ヨウ素-131 10Bq/L
セシウム-137 10Bq/L
pdfファイルwhqlibdoc.who(230ページ、表9-3)

ガイドラインは、平常時の運転条件に適用するものとされており、現在の緊急事態時との違いの考慮も必要だが、日本では放射性ヨウ素-131(131I)が300Bq/kg以上、放射性セシウム(Cs)が200Bq/kg以上となっている。(2010年4月4日時点)。

暫定規制値

[pdfファイル-厚生労働省:飲食物摂取制限に関する指標-平成23年3月17日]

http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001558e-img/2r9852000001559v.pdf

1


ベクレル(Bq)
ベクレルは、放射性物質が放射線を出す能力を表す単位。放射線は、不安定な放射性物質が壊れることによって放出されるが、「ベクレル」は、1秒間に放射性物質が壊れる数(崩壊数)を表す。

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http://whqlibdoc.who.int/publications/2004/9241546387_jpn.pdf

WHO 飲料水水質ガイドライン

http://whqlibdoc.who.int/publications/2004/9241546387_jpn.pdf

Guidlines for drinking-water quarity 

 第3版 (第1巻)

社団法人 日本水道協会
 


Published by the World Health Organization in 2004

under the title Guidelines for Drinking Water Quality, Volume 1, 3rd edition
©World Health Organization 2004

以下抜粋:
PDF 572p :     p 224 ~ p236

第9 章 放射線学的観点
本章の目的は、放射性核種に関する飲料水の安全性を評価するための基準を設定することで
ある。本ガイドラインでは、自然由来の放射性核種と人工的な放射性核種を区別していない。
本ガイドラインの初版で勧告された飲料水中の放射能のガイドライン値は、放射線の線源から
の被ばくリスクおよび放射線に被ばくした場合の健康影響に基づいている。本ガイドラインの第2
版では、1990年の国際放射線防護委員会勧告( International Commission on Radiological
Protection:ICRP)(ICRP, 1991)を取り入れている。この第3版では、長期被ばくおよび線量換算
係数に関するICRPの報告を含めた最近の進展を取り入れている。

放射線による危害は、飲料水中の放射性物質(化学物質)から放出される電離放射線によりも
たらされる。飲料水によるこのような危害が公衆衛生上重大となることはまれであるが、飲料水による放射線被ばくは、他の線源による被ばくと並行して評価されなければならない。

放射線による危害を制御するための本ガイドラインで取り上げられるアプローチは、以下の2段
階である。

- 放射能濃度(Bq/Lの単位による)が、さらに対策を取る必要があるレベル以下であるかどう
かを判断するための、全αおよび全β放射能の初期スクリーニング

- これらのスクリーニングレベルを超過しているなら、個々の放射性核種の濃度の調査、およ
び、各種放射性核種濃度のガイダンスレベルとの比較

地下水に由来する飲料水中のラドンによるリスクは、全吸入ラドンによるリスクに比べて一般に
低いが、溶存ガスの摂取と、放出されたラドンおよびその娘核種の吸入の双方により被ばくするの
で、そのリスクは明白である。最大の被ばくは、一般的な環境からの吸入と地殻に由来する線源
からの吸入であり、ガスは特に地下室などの住居内にも侵入する。地下水に由来するラドンの全
体に占める割合は通常小さいが、地下室へラドンを放射するその地域の堆積物の指標となるであ
ろう。

スクリーニングレベルおよびガイダンスレベルは、既存のまたは新規の飲料水供給における日
常の(「正常な」)運転条件に適用される。これらは、環境中に放射性核種が放出されているような、緊急時で汚染を受けている水供給に適用されるものではない。緊急時のガイダンスレベルと一般的な対策レベルについては、他の資料(IAEA, 1996, 1997, 1999, 2002)に示されている。

本ガイドラインは、以下のことに基づいている。

- 1年間の飲料水摂取による(1年間の飲料水摂取を通してあり得る全放射能汚染による)預
託実効線量の勧告参照線量レベル(RDL)0.1mSv。これは、長期被ばく、すなわち、一般大衆が飲料水を長期にわたり摂取するような状況(ICRP, 2000)に関して、主要商品(例えば、食品および飲料水など)に対してICRPが勧告している介入免除レベルの10%に相当する。RDL 0.1mSvは、ICRP(1991)並びに国際基礎安全基準(International Basic Safety Standards: BSS)(IAEA, 1996)が勧告する一般住民の線量限界値の10%にも相当する。これらは、ほとんどのWHO加盟国、ヨーロッパ委員会、FAOおよびWHOにより受け入れられている。

- ICRPにより示されている成人の線量換算係数

飲料水からの放射性核種の摂取に関する年間線量0.1mSvの被ばくによる付加的健康リスクは、
以下の理由により低いと考えられる。

• 全集団に対する致命的ながん、非致命的ながんおよび重度の遺伝的影響を含めた、放射
線によるものとして推計される健康影響の正規確率係数は、7.3×10-2/Sv(ICRP, 1991)で
ある。これに、飲料水による年間被ばく量0.1mSvのRDLを掛けることにより、推計学的健康
影響の推定生涯リスク10-5が得られ、この値は他の健康リスクに比べると低いと考えられる。
このリスクレベルは、本ガイドラインの他の箇所で用いられている参照リスクレベルと同程度
である。

• バックグラウンド放射線被ばくは地球上の地域によって大きく変化するが、その平均は約
2.4mSv/年で、明らかな健康影響はないものの最高地域レベルはこの10倍にも達する。し
たがって、0.1mSvは、バックグラウンドレベルに比べてごくわずかの増加にしか過ぎない。

• 低レベルの放射線被ばくによるリスクの判定には不確実性があるが、放射線によるリスク
は、飲料水中の微生物やある種の化学物質によるものに比べておそらく十分に低い。
9.1 放射線被ばくの線源と健康影響

環境中の放射線は、多くの自然由来および人工の線源によるものである。放射性物質(例えば、
ウラン、トリウム、カリウム-40など)は環境中のどこにでも自然に存在する。放射線によるヒトの被ばくうち最も大きな部分は、自然線源からのもの-宇宙線および地殻放射を含めた外部線源によるもの、並びに、放射性物質の吸入または摂取によるもの-である(図9.1)。原子放射線の影響に
関する国連科学委員会(United Nations Scientific Committee on the Effects of Atomic Radiation:
UNSCEAR)(UNSCEAR, 2000)では、自然線源からのヒトの年間被ばく量の世界平均は2.4mSv/
年であると推定している(表9.1)。一部の線源(例えば、ウランなど)は、鉱業およびその他の産業
活動による抽出の過程で濃縮されることがある。

ヒトの放射線による被ばくは、海抜高度、土壌中の放射性核種の量と種類(地殻被ばく)、大気、
食品および飲料水中の放射性核種の組成、並びに、吸入または摂取による体内への取り込み量
など、多くの要因により地域ごとに大きく変化する。世界には、インドのケララ州やブラジルの
Pocos del Caldas平原の一部など、バックグラウンド放射線レベルが比較的高い地域がある。これ
らの地域における一般集団の被ばくレベルは、表9.1に示した平均バックグラウンドレベル2.4mSv
の10倍にも達することがある。この高い放射線被ばくによる健康への悪影響は検知されていな
い。

図 9-1 世界の人々への平均的な放射線被ばくの線源と分布

表 9-1 自然線源からの平均的な放射線量
注記:資料引用:下記の表は 上記の表 9-1 と等価 

a 地殻による被ばくは、土壌および建材中の放射性核種による。
b ラドンの吸入線量が10 mSv/年を超える居住地域がある。
出典:UNSCEAR(2000)

いくつかの放射性化合物が、人の活動に伴って人工的な線源から(例えば、放射線源の医療
または産業用の利用などから)、環境中、ひいては飲料水供給に放出されることがある。2000年の
世界の健康診断における1人当たり実効線量は、0.4mSv/年であった(ヘルスケアレベルにより異
なるが、通常の範囲は0.04~1.0mSv/年である)。原子力発電や核兵器実験による世界的な寄与
は極めてわずかである。2000年の世界の核兵器実験による一人当たり年間実効線量は
0.005mSv、これに対して、チェルノブイリ事故によるものは0.002mSv、原子力発電によるものは
0.0002mSvと推定されている(UNSCEAR, 2000)。

9.1.1 飲料水を通しての放射線被ばく
飲料水中の放射性成分は以下に由来する。
- 自然由来の放射性核種(例えば、トリウムおよびウランの放射性核種は、飲料水源におい
てそれぞれの系列にしたがって崩壊する)。特に、ラジウム-226/228およびその他いくつか
のもの。

- 自然由来の放射性物質に関わる技術上のプロセス(例えば、鉱砂の採掘および加工、また
は、リン肥料の製造など)
- 核燃料サイクル施設から排出された放射性核種
- 製造された放射性核種(非密封型で製造されて使用されるもの)。特に、放射性物質の不
適切な医療または産業用利用および廃棄処分の場合など、定期的な排出の結果として飲
料水供給に混入するもの。これらは、本ガイドラインで視野に入れていない緊急時とは異な
る。
- 放射性核種の飲料水源を含めた環境中への過去の放出
全被ばく量に対する飲料水の寄与は、一般に非常に小さく、ウランおよびトリウム系列の自然起
因放射性核種に大きく依存する。しかし、核燃料サイクル、並びに、医療およびその他の用途に
おける放射性物質の利用からの放射性核種が、飲料水供給に混入することがある。これらの線源
による寄与は、通常、線源または業務の規制により制限されており、これらの線源が飲料水の汚
染による懸念の原因となるような事態に際して防除措置が取られるのは、まさにこのような規制の
仕組みを通してである。

9.1.2 飲料水を通しての放射線被ばくによる健康影響
低ないしは中線量の放射線被ばくが長期化するとがんの増加をもたらすことは、ヒトおよび動物
による研究の証拠がある。特に動物実験では、放射線被ばくによる先天奇形発生率の増加が示
唆されている。

放射性核種の濃度がガイダンスレベル以下(すなわち、預託実効線量0.1mSv/年以下)であれ
ば、飲料水の摂取による放射線学的な健康への悪影響はあり得ないと考えられる。

血球数の減少や、非常に重篤な場合には死に至ることもあるような放射線の急性健康影響は、
全身または身体の大部分が非常に高線量の被ばくを受けたときにもたらされる(IAEA, 1998)。飲
料水供給で通常検出される放射性核種は低レベルであるため、飲料水供給において放射線によ
る急性の健康影響が重要な問題となることはない。

9.2 放射能と放射線量の単位
放射能のSI単位はベクレル(Bq)で、1Bq=1崩壊/秒である。飲料水についてのガイダンスレベ
ルは、1L中の放射性核種による放射能、すなわち放射能濃度(Bq/L)と呼ばれる、として与えられ
ている。放射性核種の摂取によりもたらされる被ばく線量は、多くの化学的および生物学的要因
により左右される。これらは、摂取された放射性核種のうち消化管、器官または組織まで運ばれて
それから吸収される部分の割合および放射性核種が排泄されるまで器官または組織内にとどま
っている時間などである。崩壊に伴い放射される放射線の特性および放射線に対する器官また
は組織の感受性も考慮されなければならない。

吸収線量は、どれだけ多くのエネルギーが放射線により物質に投与されたかを表す。吸収線
量のSI単位はグレイ(Gy)で、1Gy=1J/kg(ジュール/キログラム)である。

等価線量は、吸収線量と特別な種類の放射線に関係する係数(電離能および密度に依存す
る)との積である。

ヒトが受ける放射線の実効線量は、簡単に言えば、「組織荷重係数」による荷重を掛けた、すべ
ての組織または器官が受ける等価線量の和である。これらは、人体の異なる器官および組織の放
射線に対する感受性の違いを反映している。等価線量および実効線量のSI単位はシーベルト
(Sv)で、1Sv=1J/kgである。

一旦体内に取り込まれた放射性核種の残留性を反映させるため、ある放射性核種の摂取(内
部被ばく)に伴い一生涯(70年)にわたって受ける全実効線量の尺度として、預託実効線量が用
いられる。

「線量」という用語は、状況により、吸収線量(Gy)または実効線量(Sv)を意味する一般的な用
語として使われる。監視の目的のため、与えられた物質の放射性核種の放射能濃度から線量が
測定される。水の場合には、放射能濃度がBq/Lの単位で表される。この値は、線量換算係数
(mSv/Bq)および水の年平均摂取量(L/年)を用いることにより、一年当たりの実効線量(mSv/年)
と関連付けることができる。

特定の化学形態の放射性同位体の摂取による実効線量は、線量換算係数を用いて推定する
ことができる。放射性核種の摂取に関する年齢と関連付けた線量換算係数のデータが、ICRPお
よび国際原子力機関(International Atomic Energy Agency: IAEA)により公表されている。表9.2
に、飲料水供給で検出される自然由来の放射性核種、または、人為活動に起因する放射性核種
についての線量換算係数を示す(IAEA, 1996; ICRP, 1996)。

表 9-2 一般成人による放射性核種の摂取に関する線量換算係数 (pdf添付不可)

分類 放射性核種線量換算係数(mSv/Bq)
天然ウラン系列ウラン-238 4.5×10-5
ウラン-234 4.9×10-5
トリウム-230 2.1×10-4
ラジウム-226 2.8×10-4
鉛-210 6.9×10-4
ポロニウム-210 1.2×10-3
天然トリウム系列トリウム-232 2.3×10-4
ラジウム-228 6.9×10-4
トリウム-228 7.2×10-5
核分裂生成物セシウムー134 1.9×10-5
セシウムー137 1.3×10-5
ストロンチウム-90 2.8×10-5
ヨウ素-131 2.2×10-5
他の放射性核種トリチウム1.8×10-8
炭素-14 5.8×10-7
プルトニウム-239 2.5×10-4
アメリシウム-241 2.0×10-4

9.3飲料水中の放射性核種のガイダンスレベル
天然線源に由来する放射性核種、または、現在もしくは過去における活動の結果として環境中
に排出された放射性核種につき、飲料水中の放射性核種のガイダンスレベルを表9.3に示す。こ
れらのレベルは、一年以上前の核事故で放出された放射性核種にも適用できる。表9.3の放射能
濃度の値は、その年に摂取された飲料水中の濃度がこの値を超えなければ、各放射性核種につ
きRDL 0.1mSv/年に相当する。これによるリスクの推定値は本章の初めに記した。しかし、事故直
後の1年間は、BSS(IAEA, 1996)並びにその他のWHOおよびIAEAの関連刊行物(WHO, 1988;
IAEA, 1997, 1999)に記載されているように、食材に関しての一般的アクションレベルが適用され
る。

飲料水中の放射性核種のガイダンスレベルは、次式により計算された。
GL=1DC/(hing・q)
ここに、
GL: 飲料水中の放射性核種のガイダンスレベル(Bq/L)
IDC: 個別線量基準、この計算では0.1mSv/年
hing: 成人による摂取の線量換算係数(mSv/Bq)
q: 飲料水の年摂取量、730L/年と仮定

小児について計算された年齢依存線量換算係数がより高い(より高い摂取量もしくは代謝速度
を意味する)が、幼児または小児により摂取される飲料水量が平均的により少いために、線量が
顕著により高くなるということはない。この結果、一年間の飲料水摂取による預託実効線量0.1mSv/年の勧告RDLは、年齢に関係なく適用される。

表 9-3 飲料水中の放射性核種のガイダンスレベル    (1/2) (pdf添付不可)


表 9-3 飲料水中の放射性核種のガイダンスレベル    (2/2) (pdf添付不可)


a ガイダンスレベルは、対数の値の平均を丸めたものである(算定値が3×10n以下および3×10n-1以上であれば10nに)。
b 天然放射性核種
c 飲料水中のウランの暫定ガイドライン値は、腎臓に対する化学的な毒性に基づき15 μg/L である。(8.5参照)。

9.4 溶存放射性核種の監視と評価
9.4.1 飲料水供給のスクリーニング
個々の放射性核種を同定し、その濃度を測定するプロセスでは、高度で高価な分析が求めら
れるが、このような分析は、ほとんどの状況においては放射性核種の濃度が非常に低いので、通
常は正当化されるものではない。より実際的なアプローチは、特定の放射性核種を同定すること
は考えないで、アルファ(α)およびベータ(β)放射線の形で存在する全放射能をまず測定する、
スクリーニング手順を用いることである。

それ以下であればさらに対策を取る必要がない飲料水のスクリーニングレベルは、全α放射能
0.5Bq/Lおよび全β放射能1Bq/Lである。全β放射能のスクリーニングレベルは、本ガイドラインの
第2版で公表されたもので、最悪(ラジウム-222)の場合にはガイダンスRDL 0.1mSv/年に近い線
量となる。全α放射能のスクリーニングレベルは0.5Bq/L(以前の0.1Bq/Lに代えて)で、これは、こ
の放射能濃度が、放射性核種ごとのガイダンスRDLにより近い値を反映しているからである。

9.4.2 飲料水の評価方法
もし前記いずれかのスクリーニングレベルを超えるようなことがあれば、この放射能を発生させ
ている放射性核種を同定して、それらの個々の放射能濃度を測定するべきである。これらのデー
タから、個々の放射性核種の預託実効線量を推定して、これらの線量の合計値を決定するべき
である。次式が満たされれば、さらに対策を取る必要はない。

式:(pdf添付不可)

Ci
GLi
Σ ≦1
i
ここに、
Ci: 放射性核種iについて測定された放射能濃度
GLi: 1 年間毎日2Lずつ摂取した場合の預託実効線量が0.1mSv/年となる放射性核種iのガイ
ダンスレベル値(表9.3参照)

単一試料についてこの合計が1を超えており、これらと同じ測定濃度の被ばくが丸1年間続いて
いた場合に限って、RDL 0.1mSvを超過していたと見なされる。したがって、このような試料は、そ
れ自体で、その水が飲用不適であることを意味するわけではないが、追加して試料採取を行うな
ど、さらに調査する必要があることを示すものと見なすべきである。全βおよび全α放射能のスク
リーニングを最初に繰り返して行うべきであり、続けて測定したこれらの値が、ここで勧告する実務
上のスクリーニング値(それぞれ、1Bq/Lおよび0.5Bq/L)を超える場合に限って、個々の放射性核
種についての分析を行うべきである。

このような勧告法の適用について図9.2に示す。

図9.2(pdf添付不可)


図 9-2 飲料水中の放射性核種へのスクリーニングレベルおよびガイダンスレベルの適用

全βの測定は、カリウムの安定同位体に対して一定比率で自然界に存在してβ線を放射する、
カリウム-40による寄与を含む。カリウムはヒトの必須元素であり、主に食品として摂取して吸収される。カリウム-40は体内に蓄積されないが、摂取量とは関係なく一定のレベルが維持されている。

したがって、カリウム-40のβ放射能に対する寄与は、全カリウムを別途測定したあとに差し引かれるべきである。カリウム-40の比放射能は30.7Bq/gカリウムである。しかし、カリウム-40からの放射能のすべてがβ放射能とは考えられない。カリウム-40のβ放射能は27.6Bq/g安定同位体カリウムであり、カリウム-40によるβ放射能の計算には、この係数を用いるべきである。

9.4.3 防除手段
総計としてRDL 0.1mSv/年を超える場合には、線量を低減させるために担当官署に与えられた
選択肢が試されるべきである。防除手段につき考慮する場合、それがどのような方法であっても、
まずその正当性を確認(それが正味の便益をもたらすことという意味において)してから、ICRP勧
告(1989, 1991)にしたがって正味の便益を最大にするための最適化を図るべきである。

9.5 ラドン
9.5.1 空気中および水中のラドン
自然放射線被ばくのうち最大のものは、ラドン、すなわち、ウラン系列放射性核種の一部として
岩石や土壌に含まれる、ラジウムの崩壊による放射性ガス(表9.1および図9.1参照)によるもので
ある。一般のラドンという用語は、多くの場合、ラドン-222を意味する。ラドンは、文字どおり地球上
のどこにでも存在しているが、特に陸上の空気や建築物内の空気に存在する。

天然ウランを含む地中の岩石は、それと接触する地下水中に絶えずラドンを放出し続けている。
ラドンは表流水からは容易に放出されるので、通常、地下水中のラドンの濃度は表流水中のそれ
よりもずっと高い。ラドンの平均濃度は、通常、表流水を原水とする飲料水供給では0.4Bq/L以下、
地下水を原水とするものでは約20Bq/Lである。しかし、井戸によっては、平均値の400倍もの高濃
度が測定されており、まれに10kBq/Lを超えるものもある。

ラドンの摂取による線量を評価するためには、摂取に先立つ浄水技術を考慮に入れることが重
要である。さらに、地下水を一般の家事用途に使用する際には、空気中のラドンレベルが上昇し、
その結果、吸入線量も増加する。この線量は、水の利用形態と住居の構造に顕著に左右される
(NCRP, 1989)。水の摂取量とその形態、家庭でのその他の水利用および家屋構造は世界中で
大いに異なる。

UNSCEAR(2000)では、US NAS報告(1999)を参照し、空気中のラドンおよびその崩壊生成
物からの吸入線量1.1mSv/年に対して、「飲料水中のラドンからの平均線量は、吸入によるものが
0.025mSv/年、摂取によるものが0.002mSv/年といずれも低い値」であると算定している。

9.5.2 リスク
ある報告書では、アメリカ合衆国における肺がん死亡の12%は、室内空気中のラドン(ラドン
-222およびその短寿命崩壊生成物)によるものであると推定している(US NAS, 1999)。これに従
えば、主として喫煙による年間の全肺がん死亡者数約160,000人のうち約19,000人(15,000~
22,000人の範囲)は、ラドンに起因している。

US NAS(1999)では、飲料水中のラドンによる被ばくのリスクは、上記の約100分の1(すなわち、
年間死亡者数183人)であると報告している。室内空気中のラドンに起因する肺がん死亡者数
19,000人に加えて、さらに160人が、家屋内で用いる水から放射されるラドンの吸入によるものと推
定された。比較までに、年間肺がん死亡者数のうち約700人は、野外で自然レベルのラドンによる
被ばくによるものとされている。

また、US NAS(1999)は、溶解性ラドンを含む飲料水に起因する胃がんのリスクは、アメリカ合
衆国のその他の原因での胃がんによる年間死亡者数13,000人に比べて、推計値約20人と極めて
小さく評価している。

9.5.3 飲料水供給におけるラドンについてのガイダンス
飲料水供給のラドン濃度が100Bq/Lを超える場合には制御するべきである。どのような新規の
飲料水供給でも、供用開始前に試験を行うべきである。もしラドン濃度が100Bq/Lを超えていれば、ラドンレベルが100Bq/Lよりも十分に低くなるように浄水処理を行うべきである。水源の周辺にラドンを発生させる鉱物が大量に存在している場合には、例えば5年ごとなど、大規模飲料水供給であれば定期的にラドン濃度を検査することが適切であろう。

9.6 試料採取、分析および報告
9.6.1 全α、全β放射能濃度の測定
飲料水の全αおよび全β放射能(ラドンを除く)を分析するための最も一般的なアプローチは、
既知量の試料水を蒸発乾固させ、残渣の放射能を測定する方法である。α放射線は薄層の固
体に吸収されやすいので、TDS含有量の高い試料では、この全α測定法の信頼性と感度が低下
するおそれがある。

全αおよび全β放射能濃度の測定には、可能な限り標準化された方法を用いるべきである。3
つの分析法の手順を表9.4に示す。

蒸発法による全β放射能の測定では、カリウム-40の寄与が含まれる。したがって、全βスクリー
ニング値が超過する場合には、全カリウムにつき追加分析することが必要である。

きない。しかし、通常の状況のもとでは、飲料水供給における核分裂生成物の濃度は極めて低
い。

共沈法(APHA, 1998)ではカリウム-40の寄与は排除されるので、全カリウムの測定は不要であ
る。この方法は、セシウム-137など、特定の核分裂生成物を含む試料水の評価に用いることはで
きない。しかし、通常の状況のもとでは、飲料水供給における核分裂生成物の濃度は極めて低
い。

表 9-4 飲料水中の全αおよび全β放射能の分析法

9.6.2 カリウム-40 の測定

試料水のカリウム-40濃度の測定には、ガンマ(γ)線分析の感度が低いこと、および水溶液か
ら放射性核種を化学的に分離することが困難なことから、放射能測定法を用いることは実際的で
はない。カリウム-40とその安定同位体の比率は一定なので、カリウムの化学分析が推奨される。
カリウムの測定感度が1mg/Lであれば十分で、これを容易に達成し得る技術としては原子吸光光
度法と特定イオン分析がある。カリウム-40によるβ放射能は、全カリウム1g当たり27.6Bqの係数を
用いて計算することができる。

9.6.3 ラドンの測定
飲料水中のラドン-222による放射能濃度は、その取り扱いに際してラドンが水中から放出され
やすいため、測定が困難である。攪拌や別の容器への水の移し換えにより、溶解性のラドンが遊
離する。広く用いられているPylon法(Pylon, 1989, 2003)では、水脱気ユニットとLucasシンチレー
ション検出器を用いて、飲料水中のラドンを検出することができる。水を放置することによりラドン
による放射能が減少し、さらに、煮沸することによりラドンが完全に除去される。

9.6.4 試料採取
新規の飲料水源については、その設計および建設に先立って放射線学的水質特性を明らか
にし、放射性核種濃度の季節変化を評価して、飲料水供給としての適正を判定するために、試
料を採取(例えば、当初の12ヶ月間は3ヶ月ごとなど)するべきである。これには、ラドンおよびその
娘核種の分析を含めるべきである。

飲料水供給として正常な範囲にあることが測定によって示されたあとは、試料採取頻度を例え
ば毎年または5年ごとなどにしても良い。しかし、放射性核種の汚染源(例えば、鉱山または原子
炉など)が周辺に存在する場合には、試料採取をより頻繁に行うべきである。それほど重大でない
表流水や地下水を水源とする場合には、試料採取頻度を低くして良い。

地下水を水源とする水供給でのラドンおよびその娘核種のレベルは、通常は長期間にわたり
安定である。したがって、ラドンおよびその娘核種についての水の監視は、比較的低い頻度で良
い。水源が高濃度のラドンおよびその娘核種を含んでいそうかどうかを判定するために、当該地
域の地質情報を考慮するべきである。その他のリスク要因としては周辺における鉱山の存在が上
げられ、このような場合には、より高い頻度の監視を行うことが適当であろう。

水質の評価、試料採取の方法と計画、並びに、試料の保存と取り扱いについての手引きは、オ
ーストラリアおよびニュージーランド基準(Australian and New Zealand Standard)(AS, 1998)に記
されている。

9.6.5 結果の報告
各試料についての分析結果には、以下の情報が含まれるべきである。
- 試料識別コードまたは情報
- 報告結果の参照日時(例えば、試料採取日など)
- 用いた標準分析法の特定、または、標準法でない場合にはその簡単な説明
- 測定した放射性核種または放射能の種類および全放射能の特定
- 各放射性核種につき適切なブランクを用いて計算した、測定に基づく濃度または放射能の

- 計数上の不確実性および予測される全不確実性の推定値
- 放射性核種または分析パラメータごとの最小検出可能濃度
報告結果についての予測される全不確実性の推定値には、その分析法におけるすべてのパラ
メータによる寄与(すなわち、計数、並びに、その他のランダムおよび系統的な不確実性または誤
差)を含めるべきである。

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厚生労働省

http://www.mhlw.go.jp/shinsai_jouhou/suidou.html

水道水中の放射性物質の検査について

水道水についての放射性物質の基準
 
 
 
平成24年4月1日以降の対応として、水道水中の放射性物質に係る指標を見直して新たな目標を設定するとともに、モニタリング方法及び目標値超過時の措置等について各都道府県及び水道事業者等に通知しています。


全国水質検査取りまとめ情報

厚生労働省では、水道水中の放射性物質に関する検査の結果について、政府原子力災害現地対策本部における福島県内の検査結果、文部科学省、福島県近隣の10都県(宮城県、山形県、新潟県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、東京都、神奈川県、千葉県)の地方公共団体、水道事業者等における検査結果を取りまとめ、公表しております。

なお、新しい情報については報道発表資料をあわせてご確認ください。


水道水における放射性物質対策検討会における検討

水道水中の放射性物質対策について、水道水における放射性物質対策検討会を開催し、対策についての中間取りまとめを行っています。
 

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福島第一・第二原子力発電所の事故に伴う水道の対応について

http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000015koh-att/2r98520000015kr1.pdf

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2013年8月27日火曜日

Fukushima Nuclear Accident – a simple and accurate explanation

Fukushima Nuclear Accident – a simple and accurate explanation

http://bravenewclimate.com/2011/03/13/fukushima-simple-explanation/

Posted on by Barry Brook
Twitter updates: @BraveNewClimate
New 15 MarchFukushima Nuclear Accident – 15 March summary of situation
New 14 MarchUpdates and additional Q&A information here and Technical details here
福島原発事故-簡潔で正確な解説 (version 3):(東京大学エンジニアリング在学生の翻訳) (thanks to Shota Yamanaka for translation)
Other translations: Italian, Spanish, German, 普通话

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Along with reliable sources such as the IAEA and WNN updates, there is an incredible amount of misinformation and hyperbole flying around the internet and media right now about the Fukushima nuclear reactor situation. In the BNC post Discussion Thread – Japanese nuclear reactors and the 11 March 2011 earthquake (and in the many comments that attend the top post), a lot of technical detail  is provided, as well as regular updates. But what about a layman’s summary? How do most people get a grasp on what is happening, why, and what the consequences will be?

Below I reproduce a summary on the situation prepared by Dr Josef Oehmen, a research scientist at MIT, in Boston. He is a PhD Scientist, whose father has extensive experience in Germany’s nuclear industry. This was first posted by Jason Morgan earlier this evening, and he has kindly allowed me to reproduce it here. I think it is very important that this information be widely understood.

Please also take the time to read this: An informed public is key to acceptance of nuclear energy — it was never more relevant than now.
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NOTE: Content Updated 15 March, see: http://mitnse.com/
We will have to cover some fundamentals, before we get into what is going on.

Construction of the Fukushima nuclear power plants
The plants at Fukushima are Boiling Water Reactors (BWR for short). A BWR produces electricity by boiling water, and spinning a a turbine with that steam. The nuclear fuel heats water, the water boils and creates steam, the steam then drives turbines that create the electricity, and the steam is then cooled and condensed back to water, and the water returns to be heated by the nuclear fuel. The reactor operates at about 285 °C.



The nuclear fuel is uranium oxide. Uranium oxide is a ceramic with a very high melting point of about 2800 °C. The fuel is manufactured in pellets (cylinders that are about 1 cm tall and 1 com in diameter). These pellets are then put into a long tube made of Zircaloy (an alloy of zirconium) with a failure temperature of 1200 °C (caused by the auto-catalytic oxidation of water), and sealed tight. This tube is called a fuel rod. These fuel rods are then put together to form assemblies, of which several hundred make up the reactor core.
 
The solid fuel pellet (a ceramic oxide matrix) is the first barrier that retains many of the radioactive fission products produced by the fission process.  The Zircaloy casing is the second barrier to release that separates the radioactive fuel from the rest of the reactor.

The core is then placed in the pressure vessel. The pressure vessel is a thick steel vessel that operates at a pressure of about 7 MPa (~1000 psi), and is designed to withstand the high pressures that may occur during an accident. The pressure vessel is the third barrier to radioactive material release.
The entire primary loop of the nuclear reactor – the pressure vessel, pipes, and pumps that contain the coolant (water) – are housed in the containment structure.  This structure is the fourth barrier to radioactive material release. The containment structure is a hermetically (air tight) sealed, very thick structure made of steel and concrete. This structure is designed, built and tested for one single purpose: To contain, indefinitely, a complete core meltdown. To aid in this purpose, a large, thick concrete structure is poured around the containment structure and is referred to as the secondary containment.

Both the main containment structure and the secondary containment structure are housed in the reactor building. The reactor building is an outer shell that is supposed to keep the weather out, but nothing in. (this is the part that was damaged in the explosions, but more to that later).

Fundamentals of nuclear reactions
The uranium fuel generates heat by neutron-induced nuclear fission. Uranium atoms are split into lighter atoms (aka fission products). This process generates heat and more neutrons (one of the particles that forms an atom). When one of these neutrons hits another uranium atom, that atom can split, generating more neutrons and so on. That is called the nuclear chain reaction. During normal, full-power operation, the neutron population in a core is stable (remains the same) and the reactor is in a critical state.

It is worth mentioning at this point that the nuclear fuel in a reactor can never cause a nuclear explosion like a nuclear bomb. At Chernobyl, the explosion was caused by excessive pressure buildup, hydrogen explosion and rupture of all structures, propelling molten core material into the environment.  Note that Chernobyl did not have a containment structure as a barrier to the environment. Why that did not and will not happen in Japan, is discussed further below.

In order to control the nuclear chain reaction, the reactor operators use control rods. The control rods are made of boron which absorbs neutrons.  During normal operation in a BWR, the control rods are used to maintain the chain reaction at a critical state. The control rods are also used to shut the reactor down from 100% power to about 7% power (residual or decay heat).

The residual heat is caused from the radioactive decay of fission products.  Radioactive decay is the process by which the fission products  stabilize themselves by emitting energy in the form of small particles (alpha, beta, gamma, neutron, etc.).  There is a multitude of fission products that are produced in a reactor, including cesium and iodine.  This residual heat decreases over time after the reactor is shutdown, and must be removed by cooling systems to prevent the fuel rod from overheating and failing as a barrier to radioactive release. Maintaining enough cooling to remove the decay heat in the reactor is the main challenge in the affected reactors in Japan right now.

It is important to note that many of these fission products decay (produce heat) extremely quickly, and become harmless by the time you spell “R-A-D-I-O-N-U-C-L-I-D-E.”  Others decay more slowly, like some cesium, iodine, strontium, and argon.

 
What happened at Fukushima (as of March 12, 2011)
The following is a summary of the main facts. The earthquake that hit Japan was several times more powerful than the worst earthquake the nuclear power plant was built for (the Richter scale works logarithmically; for example the difference between an 8.2 and the 8.9 that happened is 5 times, not 0.7).

When the earthquake hit, the nuclear reactors all automatically shutdown. Within seconds after the earthquake started, the control rods had been inserted into the core and the nuclear chain reaction stopped. At this point, the cooling system has to carry away the residual heat, about 7% of the full power heat load under normal operating conditions.

The earthquake destroyed the external power supply of the nuclear reactor. This is a challenging accident for a nuclear power plant, and is referred to as a “loss of offsite power.” The reactor and its backup systems are designed to handle this type of accident by including backup power systems to keep the coolant pumps working. Furthermore, since the power plant had been shut down, it cannot produce any electricity by itself.

For the first hour, the first set of multiple emergency diesel power generators started and provided the electricity that was needed. However, when the tsunami arrived (a very rare and larger than anticipated tsunami) it flooded the diesel generators, causing them to fail.

One of the fundamental tenets of nuclear power plant design is “Defense in Depth.” This approach leads engineers to design a plant that can withstand severe catastrophes, even when several systems fail. A large tsunami that disables all the diesel generators at once is such a scenario, but the tsunami of March 11th was beyond all expectations. To mitigate such an event, engineers designed an extra line of defense by putting everything into the containment structure (see above), that is designed to contain everything inside the structure.

When the diesel generators failed after the tsunami, the reactor operators switched to emergency battery power. The batteries were designed as one of the backup systems to provide power for cooling the core for 8 hours. And they did.

After 8 hours, the batteries ran out, and the residual heat could not be carried away any more.  At this point the plant operators begin to follow emergency procedures that are in place for a “loss of cooling event.” These are procedural steps following the “Depth in Defense” approach. All of this, however shocking it seems to us, is part of the day-to-day training you go through as an operator.

At this time people started talking about the possibility of core meltdown, because if cooling cannot be restored, the core will eventually melt (after several days), and will likely be contained in the containment. Note that the term “meltdown” has a vague definition. “Fuel failure” is a better term to describe the failure of the fuel rod barrier (Zircaloy).  This will occur before the fuel melts, and results from mechanical, chemical, or thermal failures (too much pressure, too much oxidation, or too hot).

However, melting was a long ways from happening and at this time, the primary goal was to manage the core while it was heating up, while ensuring that the fuel cladding remain intact and operational for as long as possible.

Because cooling the core is a priority, the reactor has a number of independent and diverse cooling systems (the reactor water cleanup system, the decay heat removal, the reactor core isolating cooling, the standby liquid cooling system, and others that make up the emergency core cooling system). Which one(s) failed when or did not fail is not clear at this point in time.

Since the operators lost most of their cooling capabilities due to the loss of power, they had to use whatever cooling system capacity they had to get rid of as much heat as possible. But as long as the heat production exceeds the heat removal capacity, the pressure starts increasing as more water boils into steam. The priority now is to maintain the integrity of the fuel rods by keeping the temperature below 1200°C, as well as keeping the pressure at a manageable level. In order to maintain the pressure of the system at a manageable level, steam (and other gases present in the reactor) have to be released from time to time. This process is important during an accident so the pressure does not exceed what the components can handle, so the reactor pressure vessel and the containment structure are designed with several pressure relief valves. So to protect the integrity of the vessel and containment, the operators started venting steam from time to time to control the pressure.

As mentioned previously, steam and other gases are vented.  Some of these gases are radioactive fission products, but they exist in small quantities. Therefore, when the operators started venting the system, some radioactive gases were released to the environment in a controlled manner (ie in small quantities through filters and scrubbers). While some of these gases are radioactive, they did not pose a significant risk to public safety to even the workers on site. This procedure is justified as its consequences are very low, especially when compared to the potential consequences of not venting and risking the containment structures’ integrity.

 
During this time, mobile generators were transported to the site and some power was restored.  However, more water was boiling off and being vented than was being added to the reactor, thus decreasing the cooling ability of the remaining cooling systems. At some stage during this venting process, the water level may have dropped below the top of the fuel rods.  Regardless, the temperature of some of the fuel rod cladding exceeded 1200 °C, initiating a reaction between the Zircaloy and water. This oxidizing reaction produces hydrogen gas, which mixes with the gas-steam mixture being vented.  This is a known and anticipated process, but the amount of hydrogen gas produced was unknown because the operators didn’t know the exact temperature of the fuel rods or the water level. Since hydrogen gas is extremely combustible, when enough hydrogen gas is mixed with air, it reacts with oxygen. If there is enough hydrogen gas, it will react rapidly, producing an explosion. At some point during the venting process enough hydrogen gas built up inside the containment (there is no air in the containment), so when it was vented to the air an explosion occurred. The explosion took place outside of the containment, but inside and around the reactor building (which has no safety function).  Note that a subsequent and similar explosion occurred at the Unit 3 reactor. This explosion destroyed the top and some of the sides of the reactor building, but did not damage the containment structure or the pressure vessel. While this was not an anticipated event, it happened outside the containment and did not pose a risk to the plant’s safety structures.
 
Since some of the fuel rod cladding exceeded 1200 °C, some fuel damage occurred. The nuclear material itself was still intact, but the surrounding Zircaloy shell had started failing. At this time, some of the radioactive fission products (cesium, iodine, etc.) started to mix with the water and steam. It was reported that a small amount of cesium and iodine was measured in the steam that was released into the atmosphere.

Since the reactor’s cooling capability was limited, and the water inventory in the reactor was decreasing, engineers decided to inject sea water (mixed with boric acid – a neutron absorber) to ensure the rods remain covered with water.  Although the reactor had been shut down, boric acid is added as a conservative measure to ensure the reactor stays shut down.  Boric acid is also capable of trapping some of the remaining iodine in the water so that it cannot escape, however this trapping is not the primary function of the boric acid.

The water used in the cooling system is purified, demineralized water. The reason to use pure water is to limit the corrosion potential of the coolant water during normal operation. Injecting seawater will require more cleanup after the event, but provided cooling at the time.

This process decreased the temperature of the fuel rods to a non-damaging level. Because the reactor had been shut down a long time ago, the decay heat had decreased to a significantly lower level, so the pressure in the plant stabilized, and venting was no longer required.

***UPDATE – 3/14 8:15 pm EST***
Units 1 and 3 are currently in a stable condition according to TEPCO press releases, but the extent of the fuel damage is unknown.  That said, radiation levels at the Fukushima plant have fallen to 231 micro sieverts (23.1 millirem) as of 2:30 pm March 14th (local time).
***UPDATE – 3/14 10:55 pm EST***
The details about what happened at the Unit 2 reactor are still being determined.  The post on what is happening at the Unit 2 reactor contains more up-to-date information.  Radiation levels have increased, but to what level remains unknown.


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http://bravenewclimate.com/2011/03/12/japan-nuclear-earthquake/

Discussion Thread – Japanese nuclear reactors and the 11 March 2011 earthquake



Please use this Discussion Thread for the situation in Japan with respect to the Miyagiken-Oki earthquake (9.0 magnitude) and associated 10m tsunami, and its impact on the local nuclear reactors. Here is a précis of the situation as I understand it:

1. There is no credible risk of a serious accident. All reactors responded by insertion of control rods to shut down their nuclear reactions. Thus, power levels in all cases dropped quickly to about 5% of maximum output,  and the nuclear chain reaction ceased (i.e., all units are subcritical).
Note: I judge the situation would currently be rated INES Level 4: Accident with local consequences on the international nuclear event scale. Update: This level has been confirmed by WNN (5:50 GMT).

2. The concern is providing emergency cooling water to the reactor cores to remove decay heat from the fuel rods. This residual heat comes from the fission products, and will be persistent, but diminishes rapidly over time (i.e., most decay heat occurs over minutes and hours, with cold shutdown within a few days).

3. At one plant, the 40-year old Fukushima Daiichi (unit #1 opened in 1971), the backup diesel generators supply power to the core cooling system failed (apparently due to damage from the tsunami). This allowed pressure to build up in at least one of the reactors cores to about 50% higher than normal (unit 1), and requires venting of very mildly radioactive steam (contains trace levels of tritium). Some discussion here.

 
 
4. The nuclear reactor containments were undamaged by the tsunami or earthquake — these structures are sealed from flooding damage and are seismically isolated.
 
5. New generators and batteries have been transported to the Daiichi site in to provide power to the pumps. The emergency core cooling systems (ECCS) have been invoked, which follows the principle of defense in depth (however, see point #8, below, and TEPCO updates).

6. There are reports of partial exposure of the fuel at Daiichi unit #1, following coolant evaporation that, for a short time, exceeded inputs from the secondary cooling system. Such exposure can lead to some melting of the metal cladding (the ‘wrapping’ of the fuel rods), or the uranium rods themselves if the exposure is prolonged. This is what is technically referred to as a ‘meltdown’. I am still not clear if this exposure of the fuel assemblies actually happened (some evidence here), nor if any fuel underwent melt (due to decay heat, not a critical nuclear reaction).



7. The plant closest to the earthquake epicentre, Onagawa, stood up remarkably well, although there was a fire in a turbine building on site but not associated with the reactor operations, and therefore was not involved with any radioactive systems.

8. There has been an explosion at Fukushima Daiichi
at 16:30 JST (7:30 GMT) on March 12. Note: There is no critical nuclear reaction occurring in any of these reactors, and it CANNOT reinitiate as all neutron-absorbing control rods are grounded. As such, any at a plant site fire would be chemical (e.g., hydrogen) or steam pressure during venting (see point #3).

Quote from WNN on the explosion:

Television cameras trained on the plant captured a dramatic explosion surrounding Fukushima Daiichi 1 at around 6pm. Amid a visible pressure release and a cloud of dust it was not possible to immediately know the extent of any damage. Later television shots showed a naked steel frame remaining at the top of the reactor building. The external building structure does not act as the containment, which is an airtight engineered boundary within.

Chief cabinet secretary Yukio Edano appeared on television to clarify that the explosion had damaged the walls and roof of the reactor building but had not compromised the containment.

Monitoring of Fukushima Daiichi 1 had previously shown an increase in radiation levels detected near to the unit emerging via routes such as the exhaust stack and the discharge canal. These included caesium-137 and iodine-131, Nisa said, noting that levels began to decrease after some time.

Nevertheless the amount of radiation detected at the site boundary reached 500 microSieverts per hour – exceeding a regulatory limit and triggering another set of emergency precautions. It also meant the incident has been rated at Level 4 on the International Nuclear Event Scale (INES) – an ‘accident with local consequences’.

Note: The seawater might be used for spraying within the containment, for additional cooling, rather than injection into the reactor core. That is what comes of too much uncertainty and too little hard information.



Japan Chief Cabinet Secretary Yukio Edano, via Reuters:
We’ve confirmed that the reactor container was not damaged. The explosion didn’t occur inside the reactor container. As such there was no large amount of radiation leakage outside…
Edano said due to the falling level of cooling water, hydrogen was generated and that leaked to the space between the building and the container and the explosion happened when the hydrogen mixed with oxygen there.
(I will edit the above section and provide further updates below, as more information comes to hand)
Some useful links for further information:
Battle to stabilise earthquake reactors (World Nuclear News)
Factbox – Experts comment on explosion at Japan nuclear plant (some excellent and informative quotes)
ANS Nuclear Cafe updates (useful news feed)
How to Cool a Nuclear Reactor (Scientific American interview with Scott Burnell from the NRC)
Nuclear Power Plants and Earthquakes (World Nuclear Association fact sheet)



Tokyo Electric Power Company updates here and here (the plant operators)
Capacity Factor: Some links on the Fukushima Daiichi #1 crisis (with updates)
This is a critical time for science, engineering and facts to trump hype, fear, uncertainty and doubt.
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Updates Below
International Atomic Energy Agency: Japan nuclear plants nearest earthquake safely shut down
TEPCO updates for Fukushima Daiichi (Plant #1) and Daini (Plant #2): 8 am, 13 March
[Nuclear Power Station]
Fukushima Daiichi Nuclear Power Station:
Units 1 to 3: shutdown due to earthquake
Units 4 to 6: outage due to regular inspection
* The national government has instructed evacuation for those local residents within 20km radius of the site periphery.
* The value of radioactive material (iodine, etc) is increasing according to the monitoring car at the site (outside of the site). One of the monitoring posts is also indicating higher than normal level.
* Since the amount of radiation at the boundary of the site exceeds the limits, we decide at 4:17PM, Mar 12 and we have reported and/or noticed the government agencies concerned to apply the clause 1 of the Article 15 of the Radiation Disaster Measure at 5PM, Mar 12.
* In addition, a vertical earthquake hit the site and big explosion has happened near the Unit 1 and smoke breaks out around 3:36PM, Mar 12th.
* We started injection of sea water into the reactor core of Unit 1 at 8:20PM, Mar 12 and then boric acid subsequently.
* High Pressure Coolant Injection System of Unit 3 automatically stopped. We endeavored to restart the Reactor Core Isolation Cooling System but failed. Also, we could not confirm the water inflow of Emergency Core Cooling System. As such, we decided at 5.10AM, Mar 12, and we reported and/or noticed the government agencies concerned to apply the clause 1 of the Article 15 of the Radiation Disaster Measure at 5:58AM, Mar 13.
In order to fully secure safety, we operated the vent valve to reduce the pressure of the reactor containment vessels (partial release of air containing radioactive materials) and completed the procedure at 8:41AM, Mar 13,
* We continue endeavoring to secure the safety that all we can do and monitoring the periphery.
Fukushima Daini Nuclear Power Station:
Units 1 to 4: shutdown due to earthquake
* The national government has instructed evacuation for those local residents within 10km radius of the periphery.
* At present, we have decided to prepare implementing measures to reduce the pressure of the reactor containment vessel (partial discharge of air containing radioactive materials) in order to fully secure safety. These measures are considered to be implemented in Units 1, 2 and 3 and accordingly, we have reported and/or noticed the government agencies concerned.
* Unit 3 has been stopped and being “nuclear reactor cooling hot stop” at 12:15PM.
* The operator trapped in the crane operating console of the exhaust stack was transferred to the ground at 5:13PM and confirmed the death at 5:17PM.
Kashiwazaki Kariwa Nuclear Power Station:
Units 1, 5, 6, 7: normal operation
Units 2 to 4: outage due to regular inspection

Heat from the nuclear fuel rods must be removed by water in a cooling system, but that requires power to run the pumps, align the valves in the pipes and run the instruments. The plant requires a continuous supply of electricity even after the reactor stops generating power.

With the steam-driven pump in operation, pressure valves on the reactor vessel would open automatically as pressure rose too high, or could be opened by operators. “It’s not like they have a breach; there’s no broken pipe venting steam,” said Margaret E. Harding, a nuclear safety consultant who managed a team at General Electric, the reactors’ designer, that analyzed pressure buildup in reactor containments.
You’re getting pops of release valves for minutes, not hours, that take pressure back down”

IAEA alert log:

Japanese authorities have informed the IAEA’s Incident and Emergency Centre (IEC) that today’s earthquake and tsunami have cut the supply of off-site power to the Fukushima Daiichi nuclear power plant. In addition, diesel generators intended to provide back-up electricity to the plant’s cooling system were disabled by tsunami flooding, and efforts to restore the diesel generators are continuing.
At Fukushima Daiichi, officials have declared a nuclear emergency situation, and at the nearby Fukushima Daini nuclear power plant, officials have declared a heightened alert condition.
Japanese authorities say there has so far been no release of radiation from any of the nuclear power plants affected by today’s earthquake and aftershocks.
Tsunamis and nuclear power plants:
Large undersea earthquakes often cause tsunamis – pressure waves which travel very rapidly across oceans and become massive waves over ten metres high when they reach shallow water, then washing well inland. The December 2004 tsunamis following a magnitude 9 earthquake in Indonesia reached the west coast of India and affected the Kalpakkam nuclear power plant near Madras/Chennai. When very abnormal water levels were detected in the cooling water intake, the plant shut down automatically. It was restarted six days later.
Even for a nuclear plant situated very close to sea level, the robust sealed containment structure around the reactor itself would prevent any damage to the nuclear part from a tsunami, though other parts of the plant might be damaged. No radiological hazard would be likely.
World Nuclear News updates (updated 11:44 pm GMT):
Attention is focused on the Fukushima Daiichi and Daini nuclear power plants as Japan struggles to cope in the aftermath of its worst earthquake in recorded history. An explosion on site did not damage containment. Sea water injection continues after a tsunami warning.
Three of Fukushima Daiichi’s six reactors were in operation when yesterday’s quake hit, at which point they shut down automatically and commenced removal of residual heat with the help of emergency diesel generators. These suddenly stopped about an hour later, and this has been put down to tsunami flooding by the International Atomic Energy Agency (IAEA).
The loss of the diesels led the plant owners Tokyo Electric Power Company (Tepco) to immediately notify the government of a technical emergency situation, which allows officials to take additional precautionary measures.
For many hours the primary focus of work at the site was to connect enough portable power modules to fully replace the diesels and enable the full operation of cooling systems.
Pressure and releases
Without enough power for cooling systems, decay heat from the reactor cores of units 1, 2 and 3 has gradually reduced coolant water levels through evaporation. The consequent increase in pressure in the coolant circuit can be managed via pressure release valves. However, this leads to an increase in pressure within the reactor building containment. Tepco has said that the pressure within the containment of Fukushima Daiichi 1 has reached around 840 kPa, compared to reference levels of 400 kPa.
The company has decided to manage this “for those units that cannot confirm certain levels of water injection” by means of a controlled release of air and water vapour to the atmosphere. Because this water has been through the reactor core, this would inevitably mean a certain release of radiation. The IAEA said this would be filtered to retain radiation within the containment. Tepco has confirmed it was in the process of relieving pressure at unit 1 while preparing to do the same for units 2 and 3.
Explosion
Television cameras trained on the plant captured a dramatic explosion surrounding unit 1 at around 6pm. Amid a visible pressure release and a cloud of dust it was not possible to immediately know the extent of any damage. Later television shots showed a naked steel frame remaining at the top of the reactor building. The external building structure does not act as the containment, which is an airtight engineered boundary within.
Chief cabinet secretary Yukio Edano appeared on television to clarify that the explosion had damaged the walls and roof of the reactor building but had not compromised the containment.
Monitoring of Fukushima Daiichi 1 had previously shown an increase in radiation levels detected emerging from the plant via routes such as the exhaust stack and the discharge canal. Tepco have said that the amount of radioactive material such as iodine it is detecting have been increasing. The amount of radiation at the site boundary now exceeds a regulatory limit triggering another set of emergency precautions. It also meant the incident has been rated at Level 4 on the International Nuclear Event Scale (INES) – an ‘accident with local consequences’.
To protect the public from potential health effects of radioactive isotopes of iodine that could potentially be released, authorities are preparing to distribute tablets of non-radioactive potassium-iodide. This is quickly taken up by the body and its presence prevents the take-up of iodine should people be exposed to it.
Over the last several hours evacuation orders for local residents have been incrementally increased and now cover people living within 20 kilometres of the power plant.
Seawater injection
The injection of seawater into the building started at 8.20pm and this is planned to be followed by addition of boric acid, which is used to inhibit nuclear reactions. Tepco had to put the operation on hold for a time when another tsunami was predicted, but work recommenced after the all-clear.
Raised temperatures
Meanwhile at adjacent Fukushima Daini, where four reactors have been shut down safely since the earthquake hit, Tepco has notified government of another emergency status.
Unit 1′s reactor core isolation cooling system had been operating normally, and this was later supplemented by a separate make-up water condensate system. However, the latter was lost at 5.32am local time when its suppression chamber reached 100ºC. This led Tepco to notify government of another technical emergency situation.
Tepco has announced it has decided to prepare for controlled releases to ease pressure in the containments of all four units at Fukushima Daini.
A three kilometre evacuation is in progress, with residents in a zone out to ten kilometres given notice of potential expansion.
Workers
A seriously injured worker was trapped within Fukushima Daiichi unit 1 in the crane operating console of the exhaust stack and is now confirmed to have died. Four workers were injured by the explosion at the same reactor and have been taken to hospital. A contractor was found unconscious and taken to hospital.
Two workers of a ‘cooperative firm’ were injured, said Tepco; one with a broken bone.
At Fukushima Daiini unit 3 one worker received a radiation dose of 106 mSv. This is comparable to levels deemed acceptable in emergency situations by some national nuclear safety regulators.
The whereabout of two Tepco workers remains unknown.

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http://bravenewclimate.files.wordpress.com/2011/03/fukushima_explained_japanese_translationv3.pdf


福島原発事故-簡潔で正確な解説
2011/3/13 Barry Brook 投稿(http://bit.ly/gc9jeH)
2011/3/14 山中翔太訳。この記事はBarry Brook 様のご厚意により日本語に訳させていただきました。

誤訳情報はtwitter のアカウント(@shotayam) へ。意訳しており多少原文と意味が違うところがあります

のでご注意を。目に余るミスがある場合ご連絡を。

ここ数日、あまりにも原発報道が加熱しているところがあると感じており、専門的で客観的な意見が欠如していたように感じます。そのときRT で流れて来た記事がこれでした。この記事は専門的な知識を使い解説していてかなり長い文章ですが、かなりわかりやすく読みやすい文章です(訳が下手なのは本当に申し訳ないです)。これをきっかけに、数名でもいいので、宮城で起こっていることに関して少しでも安心して様子を見ていただければと思います。
意外と安全ですよ。不安に感じるのは知らないだけだと思います、本当に。

3/14 23:00 追加
ちょっと勢いが出てきたので補足を。
僕は航空宇宙工学科の学生であり、原子力関係の知識は大学教養レベルしかありません。つまり素人です。よってBrook 氏の意見も正しいかどうか僕にはわかりません。ただ、僕は日本では聞いたことのない一つの専門家の意見として、Brook 氏の発言は素晴らしいと思い、訳してみた次第です。どうか信じ込むことはやめてください、僕としても情報を一から十まで保証出来ません。ただ訳しているだけであり、誤訳もあるかもしれません。
ただ、一専門家の意見としてはテレビで聞けない意見だと思うので、「参考程度」という気持ちで読んで頂ければと思います。

3/14 15:00 追加
今回は様々なご意見/情報/励ましの言葉を頂きました。一つ一つに返信出来ず申し訳御座いません。特に@tomokazutomokaz 様には多数のご指摘を賜りました。全ての方々に心から感謝致します。皆様からのご指摘に加え、他の訳文等を考慮しまして新しいバージョンを作成致しました。これはtwitter でコメントを頂かなければ作成出来なかったバージョンで御座います、コメントを送って頂いた方に深く感謝致します。
最後に、夜深い時間誤訳訂正・相談の電話に応じてくれ、最も参考になる意見をくれた留学中の友人に深く感謝申し上げます。有難う御座います。
内容に関して新規追加・更新内容には「[ ]」をつけています。

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注:この記事は3/12 日時点、4日以上前のもので、当時と現在の状況は異なっています。この記事で説明されていない事態も起こっています。元記事の訂正版も出ています(このpdf の最後にまとめあり。必ず読んでください)。

ただ、原子力発電所の構造、その他一般基礎知識に関する説明は現在でも役に立つのではと考え、また、前バージョンの誤訳の訂正のため、更新致しました。

IAEA やWNN 等信頼が置ける情報によると、現在福島原発の状況についてインターネットやメディアでは信じられない量の誤った情報が流れているようです。BNC の記事"Discussion Thread - Japanese nuclear eactors and the 11 March 2011 earthquake"とそのコメントでは多くの技術的に詳細な状況が提供されています。しかし、その要旨とは?どのようにして多くの人が今起こっていること、その理由、そして今から起こることについて情報を得るのでしょうか。

以下に私はMIT research scientist のDr Josef Oehmen による状況の要約を再掲します。彼は博士であり、彼の父はドイツの核工業で多くの経験を積んでいます。これはJason Morgan により今宵はじめ(現地時間) に投稿されたもの(http://bit.ly/gUN6WX) であり、彼はここの再掲を快く了承してくれました。この情報が広く共有されることが重要だと私は考えています。
こちらを読むこともお忘れなく。今ほど役にたつときはありません。http://bit.ly/gqBKB8

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私はこの文章を3/12(現地時間) に書いており、日本の事故に関して安心してもらおうと思っています。まず、状況は深刻ですが、管理下にあります。そしてこの文章は長いです。しかしこの文章を読んだ後、あなたは全てのメディア記者よりも原子力発電所について理解することとなるでしょう。
重大な放射能の放出は、今までもありませんし、これからも「ありません」。

「重大な」とは、長距離の飛行や、元々の放射線レベルが高い地域で作られたビールを飲むことで受ける放射線より被曝量が多いことをいいます。

私自身地震がおきてから全てのニュースを読んでいます。しかし、今まで一つとして正確で誤りのないレポートはありませんでした(この問題の一部は日本危機通信の弱点の一部でもありましょう)。「誤りのないものがない」とは偏った非核報道(最近は極普通ですが) をさしているのではありません。「誤りのないものがない」というのは物理や自然法則に関する目に余る間違いであり、原発の建てられ方と制御方法についての基本的な理解の欠如による事実の大きな誤解でもあります。

私はCNN の3 ページにわたるレポートを読みましたが、その一つ一つの段落にはそれぞれ間違いが含まれていました。

今何が起こっているかを説明する前に、少し基礎をさらいましょう。

■福島原発の構造について福島の原発はBoiling Water Reactor(BWR) とよばれるもので、圧力鍋のようなものです。核燃料が水を熱し、水は蒸気をつくり、蒸気はタービンを回し電気を作り、そして蒸気は冷やされ凝縮し水にもどり、水は戻されてまた核燃料により熱せられます。圧力鍋は約250 度で動きます。

核燃料とは酸化ウランです。酸化ウランとはセラミックであり、3000 度というかなり高い融点をもちます。

燃料はペレット(レゴブロックの小さい円柱っぽいもの) 状に成形されます。これらはジルコニウム合金(融点2200 度) で作られた長い管に詰められ密閉されます。これを燃料棒といいます。この燃料棒は束ねられて、より大きなパッケージとなり、そのパッケージがいくつも反応炉に入れられます。これらを総称してコアと呼びます。

ジルコニウム合金のケースは最初の容器です。これで他の空間から放射性燃料を分離します。
コアは圧力容器に入れられます。これが前述の圧力鍋です。圧力容器は二番目の容器です。これは頑丈な鍋の様なもので、数百度のコアを安全に格納できるよう設計されています。[ある時点で冷却装置が回復する場合、この容器が役に立ちます。]

核反応炉の周辺器具含めた全て|圧力容器や全てのパイプ、ポンプ、冷却剤(水) 装置は三番目の容器に格納されます。この三番目の容器は密閉されており、最強の鉄で作られたとても厚いドームとなっています。三番目の容器はある一つの目的のために設計、建設、試験されています。完全な[コア] のメルトダウンを[制限時間無く無期限に] 内部で受け止めるという目的です。この目的のため、大きく厚いコンクリートの受け皿が圧力容器(二番目の容器) の下に位置し、黒鉛で充たされて[三番目の容器に収められています。] これがいわゆるコアキャッチゃーです。コアが溶け圧力容器が爆発し(最終的に溶け) ても、これが溶けた燃料諸々を捕えられます。核燃料は(訳注:おそらく容器内で) 拡散するように作られており、燃料を冷やすことが出来ます。

この三番目の容器は格納建屋に収められます。建屋は雨避けのようなものです(これが爆発で損傷した部分ですが、詳細は後述します)。

■核反応の基礎ウラン燃料は熱を核分裂で生み出します。大きなウラン原子が小さい原子に分裂します。このとき熱に加え中性子(原子を構成する粒子の一つ) を生み出します。中性子が別のウラン原子にぶつかるとウラン原子は分裂し、より多くの中性子を出し続けます。これが核連鎖反応と呼ばれるものです。

ところで、ただ多くの燃料棒を隣り合わせて詰めるだけでは速やかに過度の熱が発生し45 分後には燃料棒が溶けてしまいます。ここで重要なのは、反応炉の核燃料は「決して核爆弾のような核爆発を起こすことはない」ことです。核爆弾を作るのは実際とても難しいのです(イランに聞いてみてください)。チェルノブイリの爆発では、過度の圧力上昇、水素爆発そして全ての容器の破裂、溶けた核物質の外界への放出が発生しました("dirty bomb"です)。なぜこれが日本では起こらないのでしょうか。下で説明します。

核連鎖反応を制御するため、反応炉オペレーターは制御棒を使います。制御棒は中性子を吸収し、即座に連鎖反応を止めます。この操作が出来るよう核反応炉は設計されており、通常であれば全ての制御棒は引き抜かれています。そのとき冷却剤である水は熱を持ち去り(そして蒸気や電気を作ります) 同じ速度で核は熱を生み出します。250 度の通常運転ではたくさんのゆとりがあるのです。

問題は、制御棒を入れて連鎖反応を[止めた] 後にも、コアが熱を生みだしつづけることです。ウランは連鎖反応を止めます。ただ大量の放射性中間生成物が核分裂反応中ウランにより生成されます。最も重要なのはセシウムとヨウ素の同位体、つまり、放射能を持つものであり、これらは最終的に分裂し、小さくて放射能を持たない原子に変わります。このような中間放射性生成物が崩壊し続け熱を生みつづけます。この物質は最早ウランから生成されることがないので(ウランは制御棒を入れた後崩壊を止めます)、この中間物質はどんどん減ってゆき、数日かけて使い果たされると核は冷温停止します。

この残った熱が頭痛の種です。

まとめると、放射性物質の最初の「種類」は燃料棒の中にあるウランであり、加えてウランが分裂して生じる放射性の中間生成物も燃料棒の中にあります(セシウムやヨウ素です)。

燃料棒の外に、二番目の放射性物質が存在します。[この物質は最初の種類と大きく異なります]:この放射性物質はとても短い半減期を持っています。つまり、これらの物質はとても早く崩壊し、放射能のない通常の物質に分裂します。早くとは数秒ということです。つまり、もしこれらの放射性物質が外界に放出されても、そう、放射性物質が放出されてもです、危険ではありません、全くです。なぜでしょう。"RADIONUCLIDE"(放射性核種) と[綴っている] 間に、もうそれらは無害になっています。放射能のない物質に分解してしまうからです。この放射性物質とはN-16, 空気の窒素の放射性同位体です。他にはキセノンのような希ガスがあります。しかし、これらはどうしてできたのでしょうか。ウランが分裂すると中性子が出ます(上を見てください)。ほとんどの中性子は他のウランにあたり、核連鎖反応が続きます。しかし、いくつかは燃料棒を抜け水分子やその中にある[空気] に当ります。そして、放射能のない物質が中性子を吸収し放射能を持ちますが、上で述べたよう、この物質は速やかに(数秒以内に) 中性子を放出し、元の綺麗な物質に戻ります。

この二番目の「種類」の放射性物質が、外界に放出された放射能に関してとても重要です。

■福島で起きていること主要な事実を纏めたいと思います。日本で起こった地震は原発が想定した最悪な地震の16 倍です(リクタースケールは対数スケールであり、想定された8.2 と起こった9.0 は16 倍であり、0.8ではありません)。よって全てがもったという事実は、まず日本工学技術の賞賛に値するところです。

M9.0 の地震が起こったとき、全ての核反応炉は自動停止しました。地震が始まって数秒以内に制御棒はコアに入れられ、ウランの核連鎖反応は止められました。今、冷却システムが残った熱を取り去らなければなりません。余熱の負荷は通常運転の3%程度です。

地震で核反応炉の外部電力供給が止まりました。これは原発にとって最も深刻な事故であり、原発の停電はバックアップ設計時にかなり考慮されています。電力は冷却剤ポンプを動かし続けるために必要です。原発は停止したので、自力で電気を作り出せません。

一時間ほど事態はうまく進みました。複数ある非常用ディーゼル発電機の内の一つが稼働し、必要な電力を供給しました。そして津波が来ました。原発を建てたとき人々が予想だにしなかった大きさのものです(上述、16 倍)。津波は複数あった全てのディーゼル発電機をさらっていきました。

原子力発電所を設計するとき、技術者は多重防御たる哲学に従います。つまり、まず想像できる範囲でもっとも壊滅的な被害に耐えられるよう設計し、その被害に加えてありえないようなシステムの故障が起こったときもまだ制御が可能なように発電所を設計します。津波が全てのバックアップ電力システムを一度に持っていく、というのがこのありえないと思われることです。最終防御線は全てを三番目の容器の中(上述) に閉じ込めることです。この容器は、制御棒が入っても入っていなくても、コアが溶けても溶けなくても、全てを反応炉の中に保持します。

ディーゼル発電機が流されたとき、反応炉オペレーターは緊急バッテリー電源に切り替えました。バッテリーはコアを8時間冷やす電力を供給する、バックアップのためのバックアップの一つとして設計されました。そしてそれは確かに稼働しました。

[8時間以内に別の電源を見つけ原発に繋がれなければなりません。] 配電網は地震のため使用出来ませんでした。ディーゼル発電機は津波により壊されました。よって可搬性のディーゼル発電機が運び込まれたのです。

ここから事態が悪くなりました。外部発電機を原発につなげられなかったのです(プラグが合いませんでした)。よってバッテリーが使い切られたあと、残りの熱をもう取り除けなくなりました。
ここでオペレーターが冷却不可能たる緊急時の手順に従い始めます。再度、多重防御に従った手順です。[冷却システムの電源が完全に落ちるなんてありえませんが、今回は落ちました。] よって彼らは次の防御線へ後退しました。私たちにとっては衝撃的ですが、この全てはコアのメルトダウン対処まで想定された日々のトレーニングでオペレータが行っている作業の一部です。

コアのメルトダウンの話が出始めたのはこの段階です。[冷却装置を修理出来なければ、最終的に] コアが溶けてしまい(数時間、数日後)、最後の防衛線(コアキャッチャーと三番目の容器) が役割を果たさなければならない状況でした。

しかしこの段階のゴールは温度が上がりつつあるコアを制御することであり、最初の容器(核燃料を入れるジルコニウム合金管) を維持することであり、また二番目の容器(圧力鍋) を[できるだけ無傷で操作可能な状態に持つことであり、技術者に冷却装置を直す十分な時間を与えることでした]。

コアの冷却はこの様に[重要] なことなので、反応炉には複数の冷却装置が備えられ、そのそれぞれが[複数種の装置] を持ちます(反応炉冷却水浄化システム、反応熱除去装置、反応炉コア隔離時冷却装置、代替液体冷却システム、緊急コア冷却システム)。これらの状態については明らかでありません。

では、[コンロ] の上の圧力鍋を想像しましょう。弱火ですが、火はついています。オペレーターはできる限り熱を取り除くため冷却システムの機能を何でも使います、しかし圧力が高くなり始めました。こうなると最優先事項は、二番目の容器(圧力鍋) もですが、最初の容器を保つことです(2200 度以下に温度を抑えることです)。圧力鍋(二番目の容器) の健全性を保つために圧力を時々抜かなければなりません。緊急事態に減圧する能力は重要なので、反応炉には11 個の圧力開放バルブがついています。そこでオペレーターは圧力を制御するため蒸気を時々逃し始めました。温度はこの時点で約550 度でした。

このとき、放射線漏れの報告が入り始めました。蒸気を逃すことが理論的に放射能を外界に逃すことを意味し、また[何故それは危険でない] のか、は既に説明できたと思います。希ガス同様放射性窒素は人の健康の脅威にはならないのです。

この蒸気開放におけるある段階で、爆発は起きました。爆発は三番目の容器の外で起きました(私たちがいう「最後の防衛線」の「外」です)。建屋です。建屋が放射線防御に関してなにも役割を果たしていないことを思い出してください。何が起こったのかまだ完全に明らかにはなっていませんが、これがありえそうなシナリオでしょう:オペレーターは蒸気を圧力容器の外へ、直接外界にではなく建屋と三番目の容器の間に、開放することを決めました。蒸気中の放射性物質が崩壊するのに十分な時間を与えるためです。問題はこのときコアが達していた高い温度でした。このとき水分子は酸素と水素に分解します|爆発性の混合気です。そしてこれが三番目の容器の外で爆発し、建屋が損傷しました。爆発は以上のようなもので、(下手に設計されオペレーターにより適切に制御されなかった) チェルノブイリの爆発のような圧力容器の中ではありません。チェルノブイリの危険性は福島には絶対にありません。水素-酸素生成の問題は発電所を設計するにあたり重要な問題です(ソ連でない限り)、よって反応炉は水素爆発が容器の中で起こらないよう建てられ操作されます。爆発は外で起きました。それは意図したものではありませんが、想定の範囲内であり問題ありません。なぜならば爆発により容器にリスクが生じることはないからです。

そして圧力は管理下に置かれ、[蒸気] は開放されました。さて、もし鍋を熱し続けるなら、問題は水位がどんどん下がることです。コアは露出するまで数時間、数日かかるよう数メートルの水で被われています。一旦燃料棒の頭が出ると、45 分で露出した部分は2200 度の融点に達します。これが最初の容器、ジルコニウム合金管が壊れるときです。

そしてこれが現実になり始めました。冷却機能が復活する前に幾らかの(かなり限られたものだが、あることにはある) ダメージをいくつかの燃料棒が受けました。核物質それ事態はまだ傷ついていませんが、まわりのジルコニウム合金管は溶け始めました。このとき、ウラン崩壊の副生成物(放射性のセシウムやヨウ素) が少し蒸気に混ざり始めました。酸化ウランの棒は3000 度に達しない限り問題ないので、大きな問題(ウラン)は依然制御下にあります。かなり微量なセシウムとヨウ素が大気中に放出された蒸気中で観測されたことも確認されています。

これがプランB への"go"だったようです。観測された少量のセシウムで、オペレーターは最初の容器のどこかが壊れそうだということを察知しました。プランA はコアを通常の冷却システムで冷却するものでした。

[何故これが失敗したのかは明らかではありません。] 一つのもっともらしい説明は、津波が通常の冷却システムに必要な精製水をさらったか汚染したか、ということでしょう。

冷却システムで使われる水はとても綺麗で、ミネラルが除かれ(蒸留水のようなもの) ています。純水を使うのは、ウランの中性子による上述のような反応があるからです: 純水はそこまで激しい反応を起こさないので、実質放射能をもつことが出来ません。汚れた水、若しくは塩水は中性子を素早く吸収し、より放射能を持ちます。コアには影響がありません|それが何で冷やされるかは問題ではないのです。しかしオペレーターや機械工にとっては、少しだけ放射能を持った水を扱う作業は[大変困難なものになります]。

しかしプランA は失敗しました|冷却システムが機能しなかったか、精製水が切れてしまったのです|
よってプランB に移りました。以下は想像される事態の進展です:

コアのメルトダウンを避けるため、オペレーターはコアの冷却に海水を使い始めました。圧力鍋(二番目の容器) を海水で満た[したのか、] また三番目の容器を満た[して] 圧力鍋を水に浸[したのかは] 分かりません。

しかしそれは問題ではありません。
重要なのは核燃料が[冷やされていることです]。連鎖反応がかなり前に止まったので、今はただほんの僅かな余熱が作られているだけです。使われてきた大量の冷却水はその熱を取り除くのに十分です。大量の水があるので、深刻な圧力上昇を引き起こすだけの熱をコアはもう生み出すことが出来ません。また、ホウ酸が海水に加えられました。ホウ酸は「液体制御棒」です。どんな崩壊がいまだに進んでいても、ホウ素は中性子を捕まえ、コアの冷却を加速します。

発電所はコアのメルトダウンを起こしかけました。以下が既に避けられた最悪のケースです: もし海水が冷却に使えなかったら、オペレーターは圧力上昇を避けるため蒸気を開放し続けます。引き続き三番目の容器は完全に密閉され、コアのメルトダウンが起きても放射性物質は外に出られなくなります。メルトダウンの後、しばらく休止時間を設け、中間生成放射性物質を反応炉内で崩壊させ、全ての放射性粒子を容器内部表面に沈殿させます。冷却装置は最終的に回復し、メルトダウンしたコアは管理できる程度に冷却されます。容器は内部が洗浄されます。そして厄介な作業が始まります: 溶けたコアを容器から取り除き、既に固体に戻った燃料を少しずつ輸送容器につめ、処理場に輸送します。そして、損傷の具合によって、そのブロックは修理されるか廃炉となります。

■それでは、今からどうなるのでしょうか。

発電所はもう安全で、今からも安全でしょう。
日本はINES レベル4 の事故を経験しています。:近辺で収まる原子力事故です。それは発電所を所有する会社にとって悪いことですが、その他の誰にも損害はありません。

圧力を開放したとき、一部の放射線が放出されました。蒸気からの全ての放射性同位体は消えました(崩壊しました)。極僅かな量のセシウムが(ヨウ素と共に) 放出されました。放出の際もし煙突の上に座っていれば、元の生活に戻るために喫煙はやめた方がいいかもしれません。セシウムとヨウ素同位体は海に流れ、もう二度と現れません。

最初の容器に幾らかのダメージがあるようです。これはいくらかの放射性セシウムやヨウ素が冷却水の中に放出されることを意味しますが、ウランや他の危険な物質ではありません(酸化ウランは水に「溶けません」)。三番目の容器内部の冷却水を処理する機関もあります。放射性セシウムやヨウ素はそこで取り除かれ、最終的に放射性廃棄物として処理されることでしょう。

冷却水として使われる海水はある程度放射能を持つでしょう。制御棒が完全に入っているので、ウラン連鎖反応は起こっていません。これは主核反応が起こっていないということであり、これは現在の発熱反応に関与していないということです。ウラン崩壊反応がかなり前に停止しているので、中間放射性生成物(セシウムとヨウ素) もこの段階ではほとんど消えています。これは反応がさらに小さいことを意味しています。ボトムラインは、海水が低いレベルではありますが放射能を持っているということで、これも処理機関により取り除かれることでしょう。

そして海水は普通の冷却水に代わることでしょう。
反応炉のコアは廃棄され、処理機関に運ばれます。通常の運用と同じです。
燃料棒と全体としての発電所は潜在的な損傷を探すことになります。4,5 年かかるでしょう。
全ての日本の原発の安全システムは更新され、M9.0、またそれ以上の地震と津波に耐えられるようになるでしょう。

私が思うに、最も重要な問題は長引くであろう電力不足です。半分以上の日本の原子力反応炉が調査を受け、国の電力供給能力が15 % 落ちることになるでしょう。これは普段時々しか使わない火力発電所をフルに稼働することで補えるかもしれません。これにより潜在的な電力不足に加え、電気代の高騰が起こることでしょう。

もし情報が欲しいのなら、いつものメディアは忘れて以下のサイトを参考にしてください。

http://www.world-nuclear-news.org/RS_Battle_to_stabilise_earthquake_reactors_1203111.html

http://bravenewclimate.com/2011/03/12/japan-nuclear-earthquake/

http://ansnuclearcafe.org/2011/03/11/media-updates-on-nuclear-power-stations-in-japan/

注:この記事は3/12 日時点、つまり4日以上前のもので、当時と現在の状況は異なっています。この記事で説明されていない事態も起こっています。元記事の訂正版も出ています(このpdf の最後にまとめあり。必ず読んでください)。

3/14 11:00 追加。もう一度いうと、訳者は原子力に関して「素人」です。この情報の「正しさは判断で
きません」、ただ訳しているだけです。危険なことには変わりませんし、状況は刻一刻変わります。新しい情報を常に入れるよう、また別の専門家の意見も聞くようにした方がいいと思います。

3/16 追加。

参考にした訳:
http://blog.livedoor.jp/lunarmodule7/archives/2406950.html
http://loda.jp/vip2ch/?id=1284
http://yacchiman.blog65.fc2.com/blog-entry-198.html

参考になるであろう(した) サイト:
MIT 原子科学工学科の元記事訂正ページ: http://mitnse.com/
東京大学理学系研究科早野龍五教授(@hayano)、東大原子力系卒業生および有志協力チームによるページ:http://smc-japan.sakura.ne.jp/?p=752 私自身これを読んで安心しました。日本語で、更新されつづけており、専門知識を持った方が協力しているようです。

注意:元記事は3/12(「「4日も前です」」) にかかれたものであり、この文章が書かれた時期と現在の状況は異なります。つまり、この文章で「現在」と書かれていることは4日も前の状況であり、現在ではありません。しかし、この文章で得ることができる情報は、物事を「冷静に」評価するには今でも参考になると考えています。実際私自身、「危ないなぁ」とは思いますが、「何が起こっているんだ、怖い」とは思いません。今もう4日前の情報を更新することに反対する人がいらっしゃいますし、私もこれを見て「あぁ、じゃあ大丈夫か」と思ってもらうのは困ります。この文章で説明されていない事態が現在起こっています。しかし、その情報をこの情報と総合して考えることができれば、どこがどのように何故危ないのかは今でも、そしてこれからも(素人目で間違っているかもしれませんが) 解釈ができ、とりあえずパニックにならず済むでしょう(しかし、危険性は感じていた方がよいと思います)。その参考情報として、4日前の情報として、捉えてくださればというのが、訳者の私の願いです。

訂正版(3/13, 恐らくEST) では以下の点が訂正されています(見落としていたらすみません)。
反応炉は約285 度で運転されます(原文:圧力鍋が250 度で動く)。

酸化ウランの融点は約2800 度です(原文:3000 度)。
ペレットのレゴブロックくらいの大きさとは、直径高さ共に1cm 程度のことをいいます。
ジルコニウム合金は2200 度で溶けるのではなく、1200 度時点で水素と反応して溶けます。
ジルコニウム合金が最初の防御壁ではなく、ペレット自体放射能をもつ物質を保持することが出来ます。ジルコニウム合金は二番目の防御壁です。同様圧力容器が三番目、その外の容器(格納構造物"containment structure") が四番目になります。

圧力容器は通常7Mpa(大気圧の700 倍程度) で運転されます。

「コア・キャッチャー」はコアキャッチャーといわないようで、二番目のコンテナ("the secondary
container") と呼びます。原文では圧力容器のことを"second containment"と読んでいました。ま
た、この容器は四番目の容器(格納構造物) の周り(つまり外) に十分にあり、四番目のコンテナと同様の目的のために作られていますが、別物です。これも容器と共に建屋に収められます。
チェルノブイリでは四番目の容器(格納構造物) はありませんでした。

制御棒はホウ素で作られており、パワーを100% から7 % まで落とすことが出来ます。
一部のセシウム、ヨウ素、ストロンチウム、アルゴン(全て原子の名前) は、RADIONUCLIDE と綴
るくらいの時間ではなくなりません。

メルトダウンとは曖昧な表現であり、ジルコニウム合金が損壊することは燃料損壊(fuel failure) と
いった方が正確です。これは高圧、高濃度の酸素、高温のいずれかが原因で起こります。

放射性物質を含む水蒸気はフィルターや洗浄器を通して放出されています。

ジルコニウム合金の管は燃料被覆管(fuel cladding) と呼ばれるものです。

容器の中には空気がなく、窒素で満たされています。

ホウ酸は確かにヨウ素を捉えられますが、主な機能は炉の停止です。

他、多数の削除箇所あり。つまり、この文章はそのままMIT 公式として出すことの出来ない文章だったということでしょう。ただ、それでも爆発したあとも安全設備に影響はないとの記述があります(ただ、それは2 号機の爆発前の記述であることに注意してください)。

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