2013年9月11日水曜日

沢田昭二『放射線による内部被曝』-福島原発事故に関連して-セシウム137が1回に65万電子ボルトを放出すると、単純な算数で、細胞の化学結合を6万5000箇所、あるいは6万5000回切断するエネルギーに相当する。

【冒頭見たように、細胞の化学結合を切断するのに必要なエネルギーは10eVである。セシウム137が1回に65万電子ボルトを放出すると、単純な算数で、細胞の化学結合を6万5000箇所、あるいは6万5000回切断するエネルギーに相当する。セシウム137の場合はβ崩壊(崩壊時にβ線を出す)だから体内に入ってしまうとやっかいだ。】

When cesium-137 releases 650,000 electron-volt in once, It is equivalent to energy to cut by 65,000 places of chemical bond of the cell or 65,000 times with simple arithmetic.

【核崩壊というのは、セシウム137が崩壊して別な同位体になる、ということである。日本語ウィキペディア「セシウム137」によると、セシウム137は半減期が30.1年で、核崩壊しバリウム137mになる。半分が核崩壊してバリウム137mになるのに30.1年かかるという言い方も出来る。(そのバリウム137mも核崩壊してそのつど放射線を出すのだが)その1回1回の核崩壊で65万電子ボルトの放射線エネルギーを放出する。】

死の灰の放射線 世界初の確認



アップロード日: 2011/05/14
被爆後60年過ぎても体内で放射線を出し続ける映像
 
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Thursday, April 21, 2011

沢田昭二『放射線による内部被曝』-福島原発事故に関連して-

http://peacephilosophy.blogspot.jp/2011/04/blog-post_20.html

 以下転載:

沢田昭二『放射線による内部被曝』-福島原発事故に関連して-
長崎で日米加の学生に講演する沢田昭二さん
(2010年8月8日)
素粒子物理学者であり、広島原爆の被曝者でもある沢田昭二さん(名古屋大学名誉教授)には、昨年の日米学生の広島長崎の旅でお会いし、長崎で沢田さんの講義の通訳を務める機会に恵まれました。政府や大手メディアが放射線被曝について語るとき無視・軽視しがちな「内部被曝」の危険性とその重要性はいくら強調しても強調し過ぎることはありません。このサイトでは「内部被ばくについて」というコーナーも設けています。今回は『日本の科学者』6月号に掲載予定の沢田さんの新論文を掲載いたします。(特に大事だと思うところを、ブログ運営者の判断で青字で表示しました。)


放射線による内部被曝——福島原発事故に関連して——

沢田昭二

はじめに

3月11日の巨大地震と大津波によって東京電力福島第一原発はスリーマイル島原発事故を上回る大事故を引き起こした.いまなお安定的な冷却が実現できないばかりか,燃料棒の露出による水素爆発の危険性は継続している.放射能が強いためその放出箇所の特定もできていない.電源確保による安定的冷却が鍵であるが,そのための作業は難航し,作業員の累積被曝はかなりの線量に達している.

大気と海に放出された放射性物質が拡がり,原発から20 km圏内の住民は見通しもない長期的避難を余儀なくされ,福島県と北関東の農作物や魚の汚染による出荷禁止や摂取禁止措置なども深刻な影響をもたらしている.

今回の放射線被曝は,広島・長崎原爆の原子雲から降下した放射性降下物による被曝と共通性がある.日本政府は放射性降下物による被曝を無視できるとしてきた.これに対し,原爆被爆者は2003年から,国に対して全国的な集団訴訟に取り組み,原爆による放射性降下物の影響を不当に無視した岡山地裁判決を唯一の例外として,現在までに地裁と高裁で27連勝している1).

この集団訴訟では,放射性降下物による被曝影響無視の非科学的被爆者行政に対し被爆者の間に起こった事実に基づいた批判が行われ,その結果,今回の事故による被曝について,政府も内部被曝に触れるようになったものの,放射線影響の研究者を含めて,内部被曝に関する理解は不十分なままである.

本稿では,こうした広島・長崎原爆の被曝実態に基づいた内部被曝に重点を置いて原発事故による放射線被曝について考察する.

1 放射線被曝
放射線にはアルファ線、ベータ線,ガンマ線,X線,中性子線などさまざまなものがある.ベータ線は電子,アルファ線はヘリウムの原子核で,放射性原子核から数千電子ボルトないし数百万電子ボルトのエネルギーを持って放出された量子(量子化された波の塊)である.ここで電子ボルトはミクロの世界のエネルギーの単位で,eVと記し,電子と同じ電荷を持つ粒子が1ボルトの電位差の電極間で加速されて得るエネルギーが 1eVである.X線やガンマ線は電磁波で,光子と呼ばれる量子として放射性原子核から放出される.X線やガンマ線の光子は,通常の可視光線や電波の光子よりもはるかに波長が短く振動数が大きい.光子の持つエネルギーは振動数に比例するのでX線の光子はおよそ1000 eV以上,ガンマ線の光子はおよそ10万 eV以上のエネルギーを持って原子核から放出される.

アルファ線あるいはベータ線は電荷を持っている
ので,体内を通過する時,電磁相互作用によって光子を放出し,この光子が,水,タンパク質,DNAなど,生体分子内で原子を結合する役割を担っている電子に吸収されたり,散乱されたりして,電子にエネルギーを渡す.エネルギーを受け取った電子は分子から離脱し,その結果,水や生体分子が壊される.これが放射線による電離作用で,すべての放射線影響の始まりである

電離作用に必要なエネルギーはせいぜい10eVであるのに対し,放射線を構成する量子は数千eVないし数百万eVのエネルギーを持つので,一個の放射線の量子は,生体組織内で数百ないし数十万カ所の電離作用を引き起こす.可視光線や電波はX線やガンマ線と同じ電磁波であるが,その光子は1eVに満たないエネルギーしか持たないので電離作用をせず,非電離性放射線と呼ばれる.

放射線は電離作用によって人体に障害を引き起こすので,物理学的には放射線が人体にどれくらいエネルギーを与えたかで被曝線量を表し,放射線から人体組織1kg当たり1ジュールのエネルギーを吸収したとき吸収線量1グレイ(Gy, Gray)という.

しかし,放射線の種類によって人体への障害の程度が異なるので,X線に比べて何倍の影響を与えるかを考慮した生物学的効果比(RBE)をグレイに乗じた線





図1 放射線の電離作用.ガンマ線が電離作用によって染色体DNAの2重らせんを直接切断する場合と,細胞内の水分子H2Oを電離して水素イオンと水酸化物イオンをつくり,水酸化物イオンがDNAと化学反応して,間接的に切断する場合を示した.

量当量としてシーベルト(Sv, Sievert)が用いられる.国際放射線防護委員会(ICRP)はガンマ線とベータ線は外部被曝ではX線と同程度の影響であるとして,RBEを1とし,アルファ線のRBEを20としている.今回の福島原発事故による被曝は、1シーベルトの100分の1以下の被曝が問題になっているので1シーベルトの1000分の1のミリシーベルト(mSv),あるいは100万分の1のマイクロシーベルト(μSv)の単位が用いられている.

1シーベルトのガンマ線を体重 50 kgの人が全身被曝すると,50 ジュール= 3.12×1020eVのエネルギーを受けたことになり,これは全身の約60兆個の細胞1個当たり平均して52万カ所以上の電離作用を受けることになる.電離作用を受けても,ほとんどの生体分子は,再びもとの状態に修復される.ところが,きわめて小さい確率で誤った修復が行われる.特に電離作用がDNA分子の2重らせんの接近した箇所で起こると,切断箇所が誤って接合される確率が大きくなり,もとのDNA分子とは違うDNAになって染色体異常をつくり出す.染色体異常で次の細胞分裂が不可能になると,細胞は自死し,多数の細胞が自死すると急性放射線症を引き起こす.染色体異常を持つ細胞が細胞分裂できても,染色体異常を持つ細胞を再生して癌細胞につながる可能性が生まれる.

放射線の強さについては,放射性原子核が1秒間に何個崩壊して放射線量子を放出したかの回数を表すベクレル(Bq)も用いられ,1 kgの物質当たり,あるいは地面の 1 m2当たりのベクレル数が報告されている.放射性核種ごとに典型的な被曝に対してシーベルトへの換算がICRPによって提示されている.しかし,内部被曝には当てはまらない.

2 急性放射線症と晩発性障害
 放射線被曝による障害は,発症時期によって急性放射線症と晩発性障害とに大別される.体外から放射線を浴びる外部被曝による急性放射線症は一般には1週間から2週間後に発症し,内部被曝の場合には,取り込んだ放射性物質が放出する放射線を浴び続けるので一般的にはさらに遅れて発症する.一方,癌などの晩発性障害は被曝後数年から10年以上を経て発症する.このように放射線影響は一般に被曝からかなり遅れて発症する.このことから「“直ちに”健康に影響が出るレベルではない」と影響がないかのように説明するのはごまかしである.

放射線被曝による急性症状の発症も晩発性障害の発症も個人差が大きい.これを示すため,典型的な急性放射線症である脱毛の発症率を原爆傷害調査委員会(ABCC,現在の放射線影響研究所)が1950年前後に寿命調査(Life-Span-Study; LSS)集団の広島被爆者について調査した結果を図2の■印で示す2).

図3に○印を付した曲線で表された被曝線量と脱毛発症率の関係3)を用いて,図2の■印の振る舞い全体を再現するように初期放射線と呼ばれる原爆爆発1分以内に放出されたガンマ線と中性子線による被曝線量と,放射性降下物による被曝線量を求めた.その結果が図3の被曝線量で,図2の■印を貫く太い曲線のようにきわめて良い精度で脱毛発症率を再現している.

図3のように,1シーベルトの被曝で5%の人が脱毛を発症するのに対し,60日以内に50%の人が死亡する半致死線量4シーベルトの被曝では96%の人が発症するが,6%近くの人はまだ脱毛を発症しない.一般に,急性放射線症は,個人差はあるものの,その個人に特有の線量の被曝をすれば必ず発症するので「確定的」影響と呼ばれる.また,被曝線量が大きいほど急性症状は重篤になる.





   図2 広島原爆による脱毛,紫斑および下痢の爆心地からの距離による発症率.

爆心地から 0.75 kmにおける脱毛と紫斑の発症率は100%である.

3 外部被曝と内部被曝
放射線が生体組織を通過する時、X線とガンマ線はまばらな電離作用をするのでエネルギーを失うまでに相当の距離を通過するため透過力が強い.これに対し,アルファ線はきわめて密度の高い電離作用をして,数百万eVのエネルギーを数十μm 走るうちに全部放出するので,透過力はきわめて弱い.ベータ線はこの中間で,生体内では通常数 cm走ってエネルギーを失って止まる.電離作用を行う密度が大きいと,分子の接近した箇所の切断確率が大きくなり,電離作用による障害が大きくなる.こうしたことを考慮すると,ICRPが,内部被曝に対してベータ線のRBEを1とすることには疑問がある.

この問題を,具体的に於保源作医師4)が調査した広島の被爆者の爆心地からの距離による急性症状の脱毛,皮下出血による紫斑,下痢の発症率について見よう.図2に示したように脱毛の□印と紫斑の●印は爆心地からの距離とともにほぼ同じような変化をしている.しかし,△印の下痢の発症率は近距離では脱毛や紫斑に比べて小さく,遠距離では数倍大きい.

近距離では初期放射線のガンマ線や中性子線による瞬間的な外部被曝が主要な被曝影響を与える.外部被曝では透過力の強いガンマ線が腸壁まで到達できる.しかし,到達したガンマ線はまばらな電離作用を行って薄い腸壁を通り抜けてしまうので,高線量のガンマ線でなければ下痢を発症させない.

一方,遠距離では放射性降下物の放射性微粒子を体内に摂取したことによる内部被曝が主要になる.呼吸や飲食で取込んだベータ線を放出する放射性微粒子が腸壁に到達すると,ベータ線は密度の高い電離作用を行うので腸壁に損傷を与えて下痢を発症させる.このことを考慮して,図3に示したように,被曝線量と下痢の発症率の関係を,初期放射線のガンマ線による外部被曝の場合には脱毛と紫斑の場合より高い被曝線量方向にずれた曲線によって与え,放射性降下物による内部被曝の場合には脱毛と紫斑の場合より低い被曝線量方向にずれた曲線を用いると,図4に示したようにほとんど同じ被曝線量によって,脱毛,紫斑,および下痢の3種の急性症状の発症率を図2の細い曲線で示したように同時に再現できる.

このように障害のしくみが外部被曝と異なる内部被曝をX線やCTスキャンによる外部被曝と比較することは適当でない.

今回の原発事故による拡散した放射性物質は酸化物などの微粒子として飛散していると考えられるが,1μm 以下の大きさであれば,呼吸で鼻毛などに遮られないで肺胞を経て血液に達して全身を廻る.その際,放射性微粒子が水溶性あるいは油溶性であれば原子あるいは分子レベルに分解し,元素の種類によって





図3 被曝線量と脱毛,紫斑,下痢の発症率の関係.脱毛と紫斑については,50%
   の人が発症する半発症線量を2.75シーベルト(○印),下痢については初期放射
       線の外部被曝に対して3.03 シーベルト(▲印), 放射性降下物の内部被曝に対
       して 1.98シーベルト(△印)の正規分布を用いた.





     図4 急性放射線症発症率による広島原爆の推定被曝線量

特定臓器に蓄積し,集中した被曝を与える.

水溶性・油溶性でない場合には微粒子のまま, あるいは幾つかの微粒子に分解して循環し,体内の特定箇所に付着する.1μm の微粒子でも,原理的には数百億個の放射性原子を含むこともありうるので,微粒子が沈着した周辺の細胞は大量の被曝を継続して死滅する.

特に微粒子が多数のウランやプルトニウム原子核を含む場合にはきわめて高密度の電離作用をするアルファ線を放出するので被曝影響が大きくなる.こうしたことも外部被曝にない内部被曝の特質である.

図3に示されたように放射線の影響は個人差が大きく,標準的な人が発症しなくても,放射線感受性の高い人には影響が現れることを無視してはならないまた,図4に示されたように爆心地から1.2 kmまでは初期放射線による外部被曝が主要な影響を与えているが,1.2 kmより遠距離では放射性降下物による内部被曝が主要な影響を与えたことがわかる.

これまでの放射性降下物による被曝線量の評価は,「黒い雨」と呼ばれる放射性降雨に含まれて地中に浸透した後,その後の火災雨や台風による洪水で流されなかった放射性物質が放出した放射線の測定結果にもとづいている.

政府は図4に×印で示した広島の爆心地から西方約2 kmから4 kmの己斐・高須地域における積算被曝線量の0.006シーベルト〜0.02シーベルトのみ認め.その他の地域の放射性降下物は無視してきた.図4に示されるように,被爆者の間に生じた急性症状から推定した値は0.85シーベルトないし1.7シーベルトで,2桁の過小評価である.この過小評価が,ICRPの内部被曝の軽視と,今回の福島原発事故における内部被曝影響の軽視につながっている.

ここで,線量当量の単位のシーベルトを用いてきたが,内部被曝に対する適切な単位が存在しないために,外部被曝と同等な急性症状の発症率を与える内部被曝の影響を表す線量当量の意味で用いている.図4に示された結果は,放射性物質による内部被曝の影響が外部被曝よりもはるかに深刻であることを示している.

4 低線量被曝影響の推定
「確定的」影響である急性症状発症には,かつては,これ以下の被曝線量では症状は起こらないという「しきい値線量」が考えられていた.しかし,今日では図3のように発症率が分布していることがわかり,従来の「しきい値線量」に近い,発症率が5%ないし10%になる線量を「しきい値線量」と呼ぶ場合もある.古い「しきい値線量」の考え方に立って,「100㍉シーベルト以下の被曝ではまったく問題はありません」と言い切り,まれに放射線感受性のきわめて高い人が発症する可能性を否定しているのは正しくない.

1ミリシーベルトの被曝では全身の細胞1個当たり520カ所以上の電離作用を受けて,ほぼ100%の細胞で誤った修復あるいは,修復できない損傷が生ずる.さらに被曝線量が増えると,1個の細胞の損傷箇所が増えて,細胞の機能の損失が生じ,細胞の死滅が増加する.多数の細胞が死滅すると急性放射線症を発症する.

0.3 シーベルト,すなわち,300 ミリシーベルトの被曝では,脱毛と紫斑の発症率は 0.05%,すなわち1 万人が被曝して5 人,内部被曝による下痢の発症率は 0.08%,すなわち1 万人が被曝して8人が発症することになる.
多数の細胞死によって発症する急性放射線症状は,被曝線量によって重篤度が異なり,低線量被曝ではきわめて限定的・部分的に細胞が死滅しても臨床的には症状として検出されない.現在までの福島原発事故による被曝線量では,急性放射線症状よりも次に考察する晩発性障害に重点をおいた対応が求められる.

5 低線量被曝と晩発性障害                        
放射線に被曝しても,癌あるいは悪性新生物,甲状腺機能低下症などの晩発性障害の大部分や遺伝的影響は必ずしも発現するとは限らない.しかし,被曝線量が増えれば一般的に発症率・発現率が大きくなる.このような障害を確率的影響という.晩発性障害は一旦発症すれば,重篤度は被曝線量によらない.一般に晩発性障害の原因には、放射線被曝以外にもさまざまな原因があり、障害の起因性を急性症状のように放射線被曝であると特定することは困難である.そのため,まったく放射線被曝をしていない人々の集団の発症率と比較して被曝影響を求めることになる.特定個人の晩発性障害が放射線被曝によるかどうかの判定には,その個人の被曝前後の健康状態の変化を含め,過去からのさまざまな健康状態や他の疾病の経緯を総合して判断することになる.

被曝線量と晩発性障害の発症との関係は,例外もあるが,中程度の被曝の場合には.晩発性障害発症率の増加が被曝線量に比例すると考えられている.この関係がそのまま,低線量領域においても成り立つかどうかについては,さまざまなモデルが提唱されて,明確な結論はいまだに得られていない.最近になって,マイクロビームの放射線を特定細胞に照射し,その細胞に生じた障害が,照射を受けなかった隣接細胞にも生ずるバイスタンダー効果と呼ばれる現象が確認されており,低線量被曝の方が深刻な傷害を引き起こす可能性も示唆されている

こうした問題があるが,具体的に低線量被曝影響を推定するために,広島大学原爆放射線医科学研究所(原医研)が広島県居住の被爆者の悪性新生物による死亡率を広島県民と比較した研究「昭和43〜47 年における広島県内居住被爆者の死因別死亡統計」5)にもとづいて、直爆被爆者の悪性新生物による1年間死亡率と被曝線量の関係を求める.この論文は,爆心地から1 km 以内,1 km〜1.5 km,1.5 km〜2 km,2 km〜6 km の各区分の直爆被爆者と非被曝の広島県民の悪性新生物による1年間の死亡率に対し,それぞれ 0.504 %,0.454 %,0.347 %,0.374 %,0.186 %を得た.これらの死亡率を,図4に■印で示したABCC の脱毛発症率から求めた全被曝線量に対して示すと図5になる.

爆心地から1 km未満の直爆被爆者の大半は,半致死線量の4シーベルト以上を被曝し,1968年までに死亡していることを考慮してこれを除き,悪性新生物





  図5 広島県居住被爆者の悪性新生物による1年間死亡率と被曝線量の関係

の増加が被曝線量に比例するとして回帰直線を求めると,年間死亡率= 0.138% ×被曝線量+0.186%となる.すなわち,悪性新生物による年間死亡率は1シーベルトの被曝により0.138%増加する.

低線量被曝まで被曝線量に比例するとして,100万人が10㍉シーベルトの被曝をすると10年間で悪性新生物によって死亡する人が138 人増えることになる晩発性障害に対しても個人差が大きく分布しており,抵抗力が弱いとされている人や若年層の場合には100ミリシーベルトの被曝は要注意であるところが,政府は専門家の意見を聞いて急性症状の白血球減少症状が起こらないから,原発作業員の被曝線量許容限度を250 ミリシーベルトに引き上げた.しかし,しきい値論に立っての判断は危険で,作業員に被曝影響が出ても,しきい値以下だから放射線影響ではないと切り捨てる可能性がある.

図5のように被爆者の悪性新生物による死亡率は非被爆者よりも高いにもかかわらず,全死因による死亡率は男女とも非被爆者より9%低率である.これは被爆者が年2回の健康診断を国の責任で行ってきたことの反映である5).このことは,原発作業員など,今回の放射線によって被曝した人びとに対し,健康管理を国の責任で行う必要性を示している.

おわりに
原発は未完成な技術であるうえに、地震が多く人口が密集している日本ではいっそう危険性が高いので、一刻も早く原発を終息させ、エネルギー政策をあらゆる自然エネルギーの可能性を含めて転換すべきである.中部電力浜岡原発は、東海地震の震源域の上にあり、福島原発以上に深刻な事態を招くもっとも危険な原発である.そこで、3月15日に原発問題愛知県連絡センターは日本共産党愛知県委員会は中電に原発の即時停止を申し入れた。

安全性の問題に加えて、①放射性廃棄物の処理に見通しがないこと、 ②米国核兵器産業維持のための日米原子力協定でスタートしたこと、③原子力平和利用の自主・民主・公開の3原則のすべてに反する原子力政策の実態、④独立した原子力安全委員会ないし規制委員会がないことなどの問題がある。 

「安全神話」を振りまいてきた専門家を除き,自主・民主・公開の基本原則に基づいて国民の安全に責任を持つ専門家を総結集して,強い権限を持つ原発事故委員会を立ち上げ,事故の収拾計画,スポット状汚染地域の放射能のきめ細かい測定と居住環境の調査,被曝した人びとの健康管理,汚染土壌の処理を含めた農業などの安定的再開,海洋と水産物の汚染のきめ細かい測定と公表などを推進することが何よりも必要である.

引用文献
1) 山崎文徳,沢田昭二,原爆症認定集団訴訟運動の到達点,『日本の科学者』43, No.3, (2008).
2) Preston, D. L., 馬渕清彦, 児玉和紀, 藤田正一郎, 長崎医学会雑誌73, 251-253 (1998).
3) Kyoizumi, S.,Suzuki, T., Teraoka, S. & Seyama, T., Radat Res 194, 11-18 (1998).
4) 於保源作, 日本医事新報, No. 1746, 21-25 (1957).
5) 栗原登ら;広大原医研年報22 号;235-255,1981.

(『日本の科学者』2011年6月号緊急特集に掲載予定)

沢田昭二 略歴
1931年広島市に生まれる。1945年爆心地から1400mの自宅で被爆 現在名古屋大学名誉教授。
原水爆禁止日本協議会代表理事。原爆症患者の認定訴訟のために尽力。主な著書:「共同研究広島・長崎原爆 被害の実相」 「核兵器はいらない」 「素粒子の複合模型」「物理数学」など。
 
1961年 広島大学大学院理学研究科博士課程修了。
1986年 名古屋大学理学部助教授[12]
1990年 名古屋大学理学部教授[12]

著書・共著
小川修三, 沢田昭二, 中川昌美 『素粒子の複合模型 (物理学選書)』 岩波書店、1980年10月。ASIN B000J83FQ4

沢田昭二 『物理数学 (パリティ物理学コース)』 丸善、1990年7月。ISBN 4621035002

沢田昭二ほか 『共同研究 広島・長崎原爆被害の実相』 新日本出版社、1999年7月。ISBN 9784406026727ASIN 440602672X

沢田昭二 『核兵器はいらない! 知っておきたい基礎知識』 新日本出版社、2005年4月。ISBN 4406031812

翻訳
『核兵器のない世界へ A Pugwash monograph』 ジョセフ・ロートブラット編、小沼通二、沢田昭二ほか訳、かもがわ出版、1995年11月。ISBN 4876992002

P. R. ウォレス 『量子論にパラドックスはない 量子のイメージ』 荒牧正也, 沢田昭二, 粟屋かよ子訳、シュプリンガー・フェアラーク東京、1999年2月。ISBN 4431708073

ステファニア・マウリチ 『1つの爆弾 10の人生』 沢田昭二, 高田愛訳、新日本出版社、2007年2月。ISBN 4406050213
 
脚注

  1. ^ 沢田昭二 (2006), 広島大学着任の頃の思い出と名古屋大学平和憲章(小川修三さんの人と学問), “特集 日本物理学会50周年記念 50年をかえりみる”, 素粒子論研究 113 (5): E24-E35, http://ci.nii.ac.jp/naid/110004763300 
  2. ^ 小川修三 (1996), 坂田学派と素粒子模型の進展, “特集 日本物理学会50周年記念 50年をかえりみる”, 日本物理学会誌 第51巻 (2号): 58-74, ISSN 00290181, http://wwwsoc.nii.ac.jp/jps/jps/butsuri/50th/50(2)/50th-p90.html 
  3. ^ 沢田昭二, 私の被爆体験から, 京都大学原子炉実験所ホームページ
  4. ^ 沢田昭二 (2004), 原爆放射線急性症状の発症率から実効的被曝線量を推定する, , 日本の科学者 39 (1): 42-47, ISSN 00290335, http://ci.nii.ac.jp/naid/40006036420 
  5. ^ Shoji Sawada (2007). “Cover-up of the effects of internal exposure by residual radiation from the atomic bombing of Hiroshima and Nagasaki”. Medicine, Conflict and Survival 23 (1): 58-74. doi:10.1080/13623690601084617. 
  6. ^ 放射線被曝の影響について(沢田昭二), “JSA Wiki/放射線被曝問題について(科学者の眼)”, 日本科学者会議, (2011/03/24), http://www.jsa.gr.jp/pukiwiki/index.php?%CA%FC%BC%CD%C0%FE%C8%EF%C7%F8%CC%E4%C2%EA%A4%CB%A4%C4%A4%A4%A4%C6#s9b84c38 2011年6月2日閲覧。 
  7. ^ 沢田昭二『放射線による内部被曝』-福島原発事故に関連して-”. Peace Philosophy Centre (2011年4月20日). 2011年6月2日閲覧。
  8. ^ 素粒子論グループの皆様 沢田昭二
  9. ^ a b 沢田 昭二, 『核兵器はいらない』(2005), pp. 61-68
  10. ^ 封印された「人体への影響について」 誰が責任を取るのか, “経済の死角”, 現代ビジネス(講談社), (2011年04月13日), http://gendai.ismedia.jp/articles/-/2415 2011年6月1日閲覧。 
  11. ^ 内部被曝という問題をどう考えるのか③沢田昭二名誉教授との話, , ジャーナリスト 木下黄太のブログ  「福島第一原発を考えます」, (2011/04/25), http://blog.goo.ne.jp/nagaikenji20070927/e/d414b2d24e9197063d9b225652fea931 2011年6月2日閲覧。 
  12. ^ a b KAKEN - 沢田 昭二(研究者番号:50022546), 科学研究費補助金データベース
  13. ^ 素粒子の複合模型の展開 DEVELOPMENT OF THE COMPOSITE MODEL FOR ELEMENTARY PARTICLES 研究課題番号:62580076
  14. ^ 強い相互作用とハドロン物理学 Strong Interactions and Hadron Physics 研究課題番号:63302010
  15. ^ 量子色力学とスキルミオンを持つ低エネルギ-有効理論 Quantum Chromodynamics and Low Energy Effective Theory with Skyrmion. 研究課題番号:04640290

沢田昭二 (2007-10-04), 残留放射線と内部被曝, “第2回原爆症認定の在り方に関する検討会 資料2”, 厚生労働相, http://www.mhlw.go.jp/shingi/2007/10/dl/s1004-7b.pdf 2011年6月2日閲覧。
 
Shoji Sawada, Cover-up of Injuries from Atomic Bombing and Severe Effects of Internal Exposure to Residual Radiation, Oct.10 (2010)

Shoji Sawada, Tragedies Caused by Atomic Bombing , 2010 World Summit of Nobel Peace Laureates “The Legacy of Hiroshima: a World without Nuclear Weapons”

沢田昭二, 被爆者として そして科学者として, 第109回原子力安全問題ゼミ 広島・長崎65年:被爆体験を聴く, 京都大学原子炉実験所,
2010年4月26日

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沢田昭二氏(1/8) 110825IWJ小田原講演会



アップロード日: 2011/08/25
http://www.ustream.tv/recorded/16858828

沢田昭二氏(2/8) 110825IWJ小田原講演会


沢田昭二氏(3/8) 110825IWJ小田原講演会


沢田昭二氏(4/8) 110825IWJ小田原講演会


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沢田昭二氏(7/8) 110825IWJ小田原講演会


沢田昭二氏(8/8) 110825IWJ小田原講演会


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沢田昭二氏111012IWJ 実態とかけ離れた放影研の被爆者研究  



アップロード日: 2011/10/12
http://www.ustream.tv/recorded/17827015

IWJ (87分)
15:05-16:30実態とかけ離れた放影研の被爆者研究:沢田昭二(物理学博士、­名古屋大学名誉教授)

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http://www.inaco.co.jp/isaac/shiryo/hiroshima_nagasaki/fukushima/ECRR_sankou_06.html
 『放射線は生きている組織に対して、それを構成する細胞を形づくっている原子や分子を電離することを通じて、損傷をもたらす。』


 『 電離過程とは組織内の分子を構成している原子を互いに結びつけている化学結合を切断するものである。これらの引き裂かれた電離した断片は、再結合することもあるが、他の分子と結合して細胞に対して害を及ぼし得る新しい反応性物質をつくることもあり得る。

もし細胞に損傷が生じ、それが十分には修復されないとすれば、その細胞が生き続けて再生することは妨げられるかもしれない。あるいは、生きてはいけるが変質してしまうかもしれない』
 『 電離放射線の標的は生きとしいけるものの個々の細胞である。その電離過程を通じて細胞を痛めつけ、生体の生きる力を急激にあるいは非常に緩慢に奪い続ける。』

シーベルト、平均化概念の錯覚

ところが、私たちが使っているシーベルトという単位で考えれば、1マイクロシーベルトは、1ミリシーベルトより1000倍安全であるという錯覚に陥るから不思議だし、現実にそのようないいかたがまかり通っている。

ECRR2010年勧告は、この問題を次のように表現している。

 『内部被ばく、すなわち非均一な分布をもつ放射線被ばくに関しては、組織全体に対して巨視的に評価された被ばく線量が、個々の細胞に対する線量を正しく反映するようなことはありそうにない。他の言葉で言えば、ある与えられた組織に付与されたエネルギーをその質量当たりで平均してしまうことは、実際にはそのエネルギーの全てが、その組織の非常に狭い部分に付与されている可能性のある場合には、低い線量を与えてしまう可能性がある。いくつかの細胞が非常に高い線量を受け、一方ではほとんどのものが何の影響も受けないということである。』

さらに、特に1990年以降、遺伝子研究は飛躍的に進歩した。その結果細胞レベルでは複雑で動的(ダイナミック)な現象が起きていることもわかってきた。

 『過去15 年間、実験結果からますます明らかになった事は、染色体DNA に対する直接的な損傷と固定した突然変異を持つクローンの生成は、被ばくした組織において放射線が引き起こす変化の主な原因ではないということである。DNA と関連した器官に対する放射線(および他の種類の突然変異源)の損傷はゲノム不安定(genomic instability)と呼ばれる注目すべき現象を引き起こす。この事はランダムな遺伝的突然変異を対象となった細胞やその子孫にもたらす結果となる。この影響は何らかの方法によって近傍の他の細胞に対しても及ぶ。いわゆるバイスタンダー効果(bystander effect)である。』

ゲノムの不安定性やバイスタンダー効果については、第4章(<http://www.inaco.co.jp/isaac/shiryo/hiroshima_nagasaki/fukushima/ECRR_sankou_02.html>)でもざっと見た。要するに、遺伝子研究で、遺伝子間での、これまで知られていなかった働きやつながりが次々と明らかになりつつあるということを私たちは知らなければならない。こうした遺伝子レベル、細胞レベルの異常は、なにも「がん」だけではなく、あらゆる人間の病気や体の不調の原因になっているということだ。

非特異老化は単に寿命短縮ではない

ICRPにとって電離放射線の人体への影響とはがんであり、遺伝的疾病(hereditary disease)だけなのだ。福島原発事故でも話題は甲状腺がんやその他の器官でのがんに集中している。しかし実際に私たちが警戒しなければならないのは、体全体への全般的影響、たとえば抵抗力の衰え、免疫力の低下など、一言で云えば「生きる力」そのものへの攻撃であり、それに起因する「生活の質」の低下である。

 『しかしながら、ある組織内の多くの細胞中にある遺伝物質に対するランダムな損傷こそがその組織の機能喪失をもたらすのだろう。そのような影響は、その最初の被ばくから何年も経てからそれ自体が臨床的に明らかになるかもしれない。また、最初に被ばくした細胞の末裔の機能変化による結果なのかも知れない。例えば、非ガンの甲状腺機能障害は放射性ヨウ素への被ばくによって発生し得る。そのような結果が確定的であるのか確率的であるのかの分類は容易ではなく、ICRP が使うリスク体系においては問題の外に置かれている。そして、放射線被ばくに関連した心臓の機能における重要な効果もまた然りである。

しかしながら、本委員会は、そのような影響の存在は認められるべきであり、可能ならばそれらのリスクは定量化されるべきであると考えている。なぜならば、現在は存在が認知されていない被ばく集団において、それらは特筆すべき苦しみとして顕在化しているからである。そのような一般的な影響は「非特異的老化(non specific ageing)」と呼ばれるが、この概念は多くのリスク評価機関によってガン早死(premature cancer death)の道徳的意味合い(moral implications)を検討するために使われている「寿命短縮(life shortening)」という考え方とは一致していないことに注意が必要だろう。』

上記文章でECRRは、私が「生きる力への攻撃とその衰え」とやや感傷的に表現した内容を「非特異的老化(non specific ageing)」と呼んでいる。非特異的老化とは理由や原因のはっきりしない老化現象のことである。この概念はなにもECRRの打ち出した概念ではない。ICRPも同じ概念を使っている。

たとえば、(財)高度情報科学技術研究機構(RIST)が運営する原子力百科事典「AOMICA」には次のような記述が見える。

『急性であれ慢性であれ、放射線被ばくを受けると通常5-20年にも亘って何らかのかたちで健康状態に影響が出るといわれる。この効果を放射線の「晩発効果」といって、発がん、組織障害、遺伝的障害などを起こす。放射線事故などで致死に至らない被ばくを受けた場合、よくこの晩発効果が問題とされるが、「寿命短縮」も放射線の「晩発効果」として国際放射線防護委員会(ICRP;1966)において「非特異的老化現象を早めるリスクがある」として認められている。しかし、寿命短縮が高線量の急性被ばくによって起こるという研究結果が多いことから、寿命短縮論に対する反論も多い。最近は、低線量被ばくの影響研究のなかで、「放射線の寿命短縮効果」を確かめることも研究の重要な視点となっている。』(「放射線と寿命」<http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_Key=09-02-01-04>)

しかし同じ「非特異老化」という言葉を使っていてもその内容は全然違っていることにお気づきだろう。ECRRは私が「生命力への攻撃とその衰え」と使った意味で「非特異老化」を使っているのに対して、ICRPは「がんによる早死」にのみ着目してこれを「寿命短縮」効果として見ていることがわかろう。

「非特異老化」は「寿命短縮」ではない。ここでいう「非特異老化」とは、放射線によって、生きる力を奪われ、自然老化よりも人工的に老化を促進させられることなのだ。

ここまでの記述は、実は「基本的な線量体系の導入」と題する第6章の一節の内容を検討したものだった。しかし私の記述は、この節の趣旨から大きく逸脱するものだったかもしれない。というのは、この節の目的は、ICRPの放射線線量体系が、電離放射線の人体への影響を、特にその低線量内部被曝の実態をまったく反映していないことを論証することだったからだ。

次の節は「リスク定量化のための本委員会のアプローチ」と題するもので、前の節の検討を受けて、ECRRが独自に放射線リスクを定量化しようとする一節となる。
(以下その②へ) 

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http://www.nsr.go.jp/archive/mext/b_menu/shingi/housha/sonota/03072501.htm

原子力規制委員会

このページは「文部科学省」より提供された情報です。

放射線審議会基本部会報告書「規制免除について」修正版

2003年7月
放射線審議会

「規制免除について」
国際基本安全基準における規制免除レベルの
国内法令への取り入れ検討結果


平成14年10月



放射線審議会基本部会

(平成15年7月修正版)


目次
1.はじめに
  
2.我が国の法令における免除レベル
 
2.1概要
2.2放射線障害防止法
  2.2.1密封された放射性同位元素
  2.2.2密封されていない放射性同位元素
2.3その他の法令
  2.3.1医療法及び薬事法
  2.3.2労働安全衛生法、船員法及び国家公務員法(人事院規則10-5)
  2.3.3原子炉等規制法
  
3.国際機関等で検討された免除レベル
3.1国際原子力機関
3.2欧州委員会
3.3英国放射線防護庁
  
4.国際基本安全基準免除レベル
4.1免除レベル算出のための線量規準
4.2評価対象及び被ばく評価シナリオ
4.3算出方法及び評価パラメータ
4.4計算結果
  
5.我が国における免除レベルの検討
5.1基本的考え方
5.2線量規準の妥当性
5.3評価対象及び被ばく評価シナリオ
5.4算出方法及び評価パラメータ
5.5計算結果
5.6検討結果
  5.6.1国際基本安全基準免除レベルと試算結果の比較
  5.6.2結論
  
6.国内の使用実態と問題点
6.1定義数量以下の放射性同位元素の使用実態
6.2国際基本安全基準免除レベルを適用した場合の問題点
  
7.海外における免除レベルの検討及び取り入れ状況
7.1国際原子力機関
7.2欧州委員会
7.3欧米諸国での取り入れ状況
  
8.国際基本安全基準免除レベルの国内法令への取り入れ
8.1基本的考え方
8.2国内法令等への取り入れに係わる主要事項
  8.2.1国際基本安全基準免除レベルに示されていない核種の取扱
  8.2.2密封線源の取扱
  8.2.3条件付き免除の仕組み
  8.2.4免除された複数の線源の規制
  8.2.5教育、医療等の分野における規制
  8.2.6クリアランスレベルとの整合性
  
9.今後の課題
9.1自然放射性物質の扱い
  9.1.1自然放射線源、製品・生産過程生成物質の影響
  9.1.2自然起源の放射性物質に係る規制規準に関する国際機関における最近の検討状況
  9.1.3自然起源の放射性物質に係る規制に関する問題点
9.2正当化されない行為についての規制
9.3放射線を発生する装置の規制
  
10.おわりに



参考資料1  放射線審議会基本部会名簿
参考資料2  放射線審議会委員名簿
参考資料3  免除レベルに関する放射線審議会の検討経緯


付録1用語解説
付録2BSSの付則 1:免除
付録3国際基本安全基準免除レベルの算出に関する共通事項とシナリオ別計算内容
付録4免除レベル一覧
付録5我が国におけるリスク情報
付録6我が国における事故統計
付録7追加シナリオに係る規制免除濃度の評価結果
付録8我が国における定義数量以下の放射性同位元素の使用実態
付録9国際的な免除レベルの取り入れ及び検討状況
付録10  免除レベルとクリアランスレベル
付録11原料及び製品並びに鉱石等の処理産業からの廃棄物中に含まれる放射性物質の典型的な濃度
付録12一般に利用されてきた一般消費財の例
 

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http://www.euradcom.org/2009/lesvostranscript.htm

Partial transcript of conversation between Professor Chris Busby, Scientific Secretary of the European Committee on Radiation Risk,
and
Dr Jack Valentin, Scientific Secretary Emeritus International Commission on Radiological Protection.
Part of a public meeting in Stockholm, 22 April 2009 marking the 23rd anniversary of Chernobyl.



CB: As scientists we ought to look at all sources of information, but ICRP has never cited any one of the many articles that falsify [ICRP] or which show your levels of risk are in error. Why?
JV: This puts me in a slightly difficult position, of course, because I tend to agree with you — we should have quoted some of your stuff because since we don’t agree with what you are saying we should then have said why we don't. […] If you’ve got the Scientific Secretary of ICRP you press a button on its back and it says what it's supposed to say but I'm retired so I can say what I like But not many people are greatly impressed by the evidence that you bring. It would have been much wiser in that situation to state more clearly why we are not impressed, thus giving you a chance to come back again. [Then we could have a debate and understand why we don't agree with each other.]
CB: [cited as an example the 2006 ECRR publication Chernobyl 20 Years On and a "Russian studies" section of the 2004 Minority report of the UK Government Committee Examining Radiation Risks of Internal Emitters, CERRIE] … hundreds of references from the Russian language literature showing extraordinary effects from radioactivity - on genomic instability, genetic effects in plants and fish which cannot suffer from radiophobia — an enormous document which has been entirely ignored, suggesting bias.
JV: I have already agreed [ICRP, UNSCEAR, BEIR should not ignore these findings] But we're not talking here about individual results but on most of them I believe my colleagues would make technical comments [on individual results].
CB: Don't the leukaemia clusters near nuclear sites falsify ICRP?
JV: but there are other clusters around sites which were proposed for nuclear power stations but the reactors were not built.
CB: That study is confounded by the unused sites being on previously contaminated sea coasts and in areas of high rainfall [and high weapons fallout].
JV: We're now talking about confounders — that's the problem we have with all of your [epidemiological] studies. You have insufficient controls. ICRP has no official position on this but in principle people don’t agree and will point to [epidemiological] studies where you get quite contradictory results, for example lowered cancer. Bernie Cohen and radon is the most famous, falsely showing a health benefit of radiation.
CB: These arguments about confounding disappear in the case of infant leukaemia after Chernobyl. The babies were in the womb. The same results from 5 groups in 5 countries published in different journals with doses calculated in microSieverts but statistically significant excesses. How do you explain that?
JV: I can't, but I don’t think you have enough explanations either. I honestly don’t think you can convince me that you are right. There are technical arguments. We should have emailed reports and gone them slowly and thoroughly. That would be a clever way of continuing a discussion between ICRP and ECRR.
CB: Yes and no, but to get here we have had to be robust, chaining ourselves to nuclear power stations, writing in the literature and using every possible method of publicising that your risk model is bankrupt. Otherwise we wouldn't be here.
JV: Are you sure you wouldn't have had more success if you just came up friendly like and talked to the people at the Health Protection Agency? [UK radiation protection advisers]
CB: [refers to long and well known experience of bad faith in various dialogues including by the Chairman and secretariat of CERRIE and the UK government departments involved.]
JV: Yes and I have heard many stories not very favourable to you. It's a mistake to look back and argue about who did things wrong. Can't we look forward and be more constructive?
CB: Yes, I agree. I have a question here that I was asked to put to you. It is "Can the ICRP model be used by Governments to predict the consequences of a nuclear accident, in terms of cancer yield?"
JV: Basically no, because the uncertainties we are talking about would be too large; one order of magnitude. You are talking about two orders, but even at the one order I am talking about it's not useful for that sort of prognosis.
CB: What's the point of it then?
JV: We're talking of the upper limit of course. Your most likely number of cases would be X but ten times X cannot be excluded.
CB: Ok, ok, ok, and that means it is useful. So would the Government be formally reasonable, using ICRP risk models to calculate the risks — the cancer yield — from some hypothetical explosion at Barsebeck for example, even if they'd have to say it might possibly be ten times that predicted figure? Formally?
JV: It would automatically be misused by both camps and that therefore is why it is not … you don't do it like that. You look at individual doses — the highest individual doses and calculate which is the sort of area where people should not live — which is the sort of area where they should have special needs — quick evacuation in case of emergency so this number exercise. I think it's just silly. It serves no good purpose whether you're in your camp or a pro-nuclear camp or an ICRP camp.
CB: Well in this case I'm in a political camp […] there are questions that politicians need to know the answer to. When you build new nuclear power stations, or [consider] any nuclear policy, you need to know what would happen if something went wrong. You need some kind of model, and at the moment they are using your ICRP model. Are you saying they should be or they shouldn't be? You seem to be saying they should use no model at all. Is it guesswork, or what?
JV: Well I certainly wouldn't say they should use your model because …
CB: ECRR gives the right answer
JV: … no it's the wrong answer, leading to large expenditure that would not be sensible and could be used to save lives in other [ways]
CB: The draft ICRP Recommendations said that for many internal exposures the concept of absorbed dose was not valid. We would agree with that of course, but it disappeared from the final report. Why?
JV: In fact there is a whole section of the Biological annex which talks about the difficulties. I don't know exactly why the specific statement disappeared but a person reading those paragraphs in the annex will be able to see there's huge uncertainty.
CB: We're not talking about uncertainty but about the impossibility of using absorbed dose for internal nuclides.
JV: ICRP's position is that it's possible to use it albeit with large uncertainties.
CB: How large is large?
JV: Two orders is a very large uncertainty.
CB: So it could be in error by two orders for some internal exposures — so we agree?
JV: (laughing) I'd hate for you to go home and say "Jack agreed with me"
CB: but I need an answer
JV: Then the answer is I don't agree with you. (laughing)
CB: but you just said Two orders of magnitude …
JV: Yes but you can find, I'm sure you can find, an exceptional case, a specific case, where there would be that sort of uncertainty but remember it can go in another direction, and I'm sure that you can find in most cases there are uncertainties which are less than one order of magnitude, which you would find normally. If we look at the existing evidence I don’t think you have enough evidence to prove your case.
CB: The existing evidence is three orders of magnitude, if we take the childhood leukaemia clusters around nuclear sites; three orders.
JV: That's what you are claiming on the basis of a handful of cases.
CB: I'm claiming it on the basis of the German study, Aldermaston, Sellafield, Harwell and many others […]  
End of extract.

Later Professor Busby addressed the Swedish Radiation Safety Authority, SRM. Deputy Director Carl Magnus Larsson said the ICRP model cannot be used to predict the health consequences of accidents. He added that for elements like Strontium and Uranium which bind to DNA national authorities would have the responsibility to assess the risks. Another SRM member said that the Secondary Photoelectron Effect was well recognised, also that in 1977 the ICRP had considered a weighting factor ”n” for elements which bind to DNA but had not implemented it.




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2011.07.17 クリス・バズビー氏(ECRR事務局長)講演会(早稲田奉



アップロード日: 2011/07/19
7月17日夕刻、東京・早稲田のスコットホール講堂で、ECRR(欧州放射線リスク委­員会)議長であるクリス・バズビー氏の講演が行われました。

内部被曝と低線量被曝を過小評価したICRP(国際放射線防護委員会)基準があり、日­本政府も原発推進の御用学者達もこの基準に準じていますが、ICRP基準では健康被害­の想定が300倍から500倍ほども甘い、とバズビー氏は指摘しています。また、IC­RPは甲状腺がん以外目立った病気はないとしていますが、甲状腺がん以外でも多様な慢­性的な病気が多発していることも指摘しています。

東京や福島で走行している自動車のエアフィルターから数多くの種類の放射性物質が検出­されており、フィルターに付着したのと同等の核種・量の放射性物質を私達は毎日吸って­生きている、そしてそれらの核種が私達の体内に入って細胞を攻撃し続けると、具体例を­挙げて警告しました。γ線のみしか捕捉しないガイガーカウンターでの放射線量測定は目­安でしかなく、線量が低いからと言って安心してはならないとも指摘しています。

原発のある福島はもとより、東京など関東圏でも今後数年以内に大変なことが起こってく­るはずです。また、関東以西の地域での汚染状況はまだ殆ど明らかになっていませんが、­関東よりは汚染レベルは低いとしても、無縁だとは到底言えないでしょう。汚染された食­料品・飲料品が持ち込まれて内部被曝したり、ガレキ、焼却灰、土などが持ち込まれれば­、たちまち一帯の汚染度は高くなってしまいます。

バズビー氏の講演、必見です。

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Dr. Christopher Busby ~ The Coming Fukushima Global Disaster  



公開日: 2013/08/23
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